2019年1月から2月にかけて横浜と大阪にて開かれたフィッシングショーにて、
TENRYUのブースではスピードスティックの展示コーナーを設けた。
巷で噂を耳にした方が多かった様で、沢山の方に展示をご覧頂けたかと思う。
ディスプレイの中には現在進めている試作品のロッドと一緒に、
当社にて保存されていた最初期のスピードスティックも展示させて頂いた。
3本展示した古いロッドのうちコルクグリップのタイプは、
スピードの名を持ったガイドとリールシートが見て取れる。
シート形状が後期の物と異なり、後に発売となった同社のリールが取り付けられない。
これより後期のロッドは、リールに合わせて形状を進化させたのではないだろうか。
創業者に当時の事を伺うと、バスロッドのハンドル部は金属製の物が主流だったが、
富士工業社とタッグを組み生み出された樹脂製のリールシートは革新的であった。
合理性を求めるアメリカらしい発想と言えばそれまでだが、新しい物への挑戦は
ロッド自体の形を改め釣り文化の発展に大きく寄与したのは明白であった。
今回、フィッシングショーの会場にてお客様からのご意見として、
当時のグリップ(オフセットハンドル、ラバーグリップ)が欲しいとの声もあった。
もちろん、弊社内からも同じ声も有った。
しかし、当時のモデルを復刻することは不可能となっている。
富士工業社で同規格のグリップが生産終了となっており、
市場に出回っている物を集めたとしても安定供給が難しい面があった。
ただ…もし完全に同じロッドを再現出きたとしても、
ビンテージを好む方が求めているスピードスティックでは無いと思う。
ビンテージに必要なのは、その物が過ぎてきた年月であり、
長い時間を掛かって醸し出した雰囲気そのものが大事となってくる。
新しく作った物に足りないのは、エイジングを重ねた時間であり
決してお金では買える事のない物が付いていないからだ。
それよりも現代的なエッセンスも取り入れ、
もしルー氏が今の時代に生きていたらこんな風に遊んでいたのではないか…
そして、当時スピードスティックで遊んだ世代の方が、
次の世代の方と新型のスピードスティックを持って遊びに行けたら…
そんな事を想像したら新しいバスロッドのイメージが浮かび上がってきた。
スタイルとしては『ネオ・トラディショナル』と呼べば良いだろうか。
これから開発の一部始終をお伝えしていこうと思うので、
気になった時にでも当ブログをご覧頂きたい。
Staff Funaki
JUGEMテーマ:フィッシング
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