
発売時期:2022年8月下旬 発売中
【初めてのフルモデルチェンジ】
パワーマスターとは攻略が難しいショアのターゲットに向けたシリーズで、
天龍ショア・キャスティングロッドの一翼を担ってきたロッド群だ。
日本国内においては青物をはじめとした回遊魚から、
ヒラスズキやサーモン、海鱒に至るまで幅広く活躍の場を広げてきた。
2022年の8月、パワーマスターがフルモデルチェンジ(FMC)となる。
実のところ全機種を対象としたFMCは今回が初めてだ。
全てを集めると40機種にも及ぶモデルを発表してきた経緯があった。
2004年 パワーマスター シリーズ発売
2005年 ライトコア発売
2010年 ライトコア(Kガイド仕様変更)
2013年 プラッキング発売
2015年 ライトコア(リニューアル)
2016年 ヘビーコア発売
2018年 サンドウォーカー発売
初期モデルから知っている身として、
時代が進むごとにロッドは進化を続けてきたと思える。
カーボン素材、パーツ類が年を追うごとに進化し、
釣り方もターゲットやルアーの種類に応じて変わってきた。
そして今作も、飛躍的な進化を遂げる事が出来たと感じている。
【開発コンセプト】
開発を始めるにあたり下記の目標を掲げた。
①ハイエンドに迫る性能であること。
②飛距離アップが見込めること。
この2点を重視して開発を進めてきた経緯がある。
また、全国でのショアゲームを幅広くカバーする事も考え、
今作からライトな機種からマニアックな機種も用意し、
『パワーマスター』統一ブランドとして発表している。
これにより今まで存在していたライトコアやプラッキング等は、
今作のパワーマスターに全て取り込まれる事になった。
【磨き上げた基本スペック】
掲げたコンセプトとは言わば開発のハードルではあるが、
その1つである‶ハイエンドに迫る性能〟を実現するには、
ロッドの持つスペックを底上げし基本性能を磨き上げる事で、
フラグシップと言っても過言ではないロッドに仕上げてみた。
そしてショアゲームで重要な要素である、
『飛距離』への挑戦も大きな課題でもあった。
ロッドを司る3つの要素(ブランク、ガイド、グリップ)に分けて、
セクションごとに説明していこう。
・ブランク
ロッドの命でもあるブランクは、これまで培ってきた技術を詰め込んでいる。
飛距離を求める為には、アングラーのスイング速度に応じて適度に曲がり、
ルアーを遠くに飛ばす推進力に変える反発力と、
ブレを無くす為の収束の速さを実現するアクション(調子)が必要だ。
これには一概に高弾性素材を使うだけでなく、
緻密に計算されたテーパーとカーボン素材の巻き量が大きく影響する。
今作を実際にフィールドで使用して貰うと、
キャストやルアーの操作する際にはパリっとした使用感があり、
曲げ込むとジワっと作用するネバリを感じられるはずだ。
おそらくTENRYUユーザーの方がロッドを持つと、
今までに無い張りが操作性と遠投性を得られ、
曲げ込むとTENRYUらしいネバリ強さも感じられると思う。
今作から『C.N.T』を導入した事により、、
高弾性化して不足してしまったネバリ強さを補っている。
軽いロッドを作る事は容易いのだが、ハリボテの様なロッドであってはならない。
キャスト、ルアーの操作、ファイトといった一連の動作を、
全く意識しなくても扱い易く基本性能が高いブランクに仕上げられたと思う。
・ガイド
基本性能と耐久力を求めて、オーシャンガイドとKタイプのガイドを組み合わせた。
ライントラブルを極力少なくする為にティップからベリー部には、
Kタイプのガイドを採用し糸絡みの原因を排除出来るようにしている。
バット部には放出したガイドがスムースに流れ、
安心した強度も誇るオーシャンガイド(MNSG)を選んだ。
オフショアキャスティングのスパイクシリーズでも採用しているシステムで、
太めのラインシステムでもスムースにラインが流れ、
負荷を掛けた時にはブランクの力を発揮してくれる配置にしている。
・グリップ
今作からリールシートはダウンロック(上から下へ締めるタイプ)となった。
前作までは全てアップロックを採用してきたが、
モーメントを改善すると共にバランスを重視してダウンロックに変更した。
モデル別にリアグリップ長も緻密に設定し、
設定したルアー(ウェイト)の操作性を高めると共に、
キャスト時にはリアグリップを引き付け易く飛距離アップに繋がる長さを求めた。
勿論、今作にもリールシート部には西陣織カーボンパーツを採用し、
さりげなくドレスアップもしている。
【ハイスタンダード・パフォーマンス】
開発のスタートを切ったのが2018年の12月。
翌年からフィールドに出てテストを行い、最終サンプルのOKを出したのが2021年の3月。
かれこれ2シーズンは丸々テストに費やしてきた。
究極を求めた訳ではなく、基本となるロッドを徹底して煮詰め、
総合的なパフォーマンスに優れたシリーズに仕上げられたと感じている。
ぜひ、ハイスタンダードを纏ったパワーマスターを体感して欲しい。
Staff Funaki
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