開発秘話 ヘルティック編 第2話
MH610S-XL
檜原湖や野尻湖など、
スモールマウスをターゲットとなると、
ティップはソフトだが
強い引きに耐えられるバットパワーが欲しくなる。
スピニングタックルで常用的に使われるリグとして、
ダウンショットやスプリットショット、
ライトキャロ、ノーシンカー等が挙げられる。
これらのリグのスペシャルモデルは
世の中に沢山存在するが、
上記の2湖において
全てを賄えるロッドが欲しかった。
ならば作ってしまえ…という訳。
ティップは MagnaFlex製法 を活用し、
ソリッド素材の様な
『 食い込みの良さ 』を持ちながらも、
チューブラー状のブランクの為か感度の良さも秀でている。
このお陰で、ダウンショットや
ライトキャロなどでディープを狙った際に、
僅かなバイトさえも拾ってくれるのだ。
片っ端からバイトを拾うが故に弊害があり、
魚のサイズを選んでいられなくなる。
それは小型のバスやギルなど
バイトさえも拾ってしまうからである。
それなので、最近は釣れない状況以外は
ルアーのサイズを上げて
小型の魚がバイト出来ない様にしている始末だ。
スモールマウスバスは、魚体が40センチを超えると、
なかなか良いファイターとなる。
水圧の変化にも強く、
最後まで強い引きを味わえるのだが、
ティップが極めてソフトなロッドをチョイスすると、
一様にバットパワーが少ないモノになる傾向がある。
これはこれで面白いのだが、
流石に記録級のサイズを逃してしまっては、
悔やむに悔やみきれない。
そこで、ティップはエクストラライトだが、
バットはミディアムライト級のパワーを持たせた。
更に C・N・T素材 で強化している。
これでディープレンジでのフッキングも決まり、
大型の個体の強烈なファイトにも耐えられるのだ。
長さにも、コダワリが有る。
ライトキャロやスプリットショットを使う場合、
長めのリーダーを取りたい。
1m程度のリーダーを取った場合、
やや長めのレングスが欲しくなる。
また操作する場合も、
長いほどストロークを取れるので、
ズル引きする時には重宝する。
しかし長過ぎても煩わしいので、
バスをターゲットとした際に、
ちょうど良い長さに落ち着いたのが6’10″ftというわけだ。
一般的には長く感じるかもしれないが、
軽量化とバランスにより長さを感じさせないと思う。
ボートのアングラーだけでなく、
レングスを活かした遠投能力も、
オカッパリアングラーにも即戦力となるだろう。
ここまで書いて、良いことばかりだが、
唯一の欠点を書いておきたい。
ティップとバットとの差が極めて大きい故に、
強引なファイトをした際に
ロッドの角度を立てすぎると破損する場合がある。
この機種はバットが強い為に
2ランク上のパワーを感じてしまうので、
ミディアムライト級のロッドと勘違いして
ファイトしてしまうかもしれない。
弊社のロッド全てに言える事だが、ネバリは強い。
しかし、どんなロッドも折れないモノは無い。
折れ難いと表現した方が正しい。
ロッドの癖を感じ、ブランクを活かしきれば、
とても面白いロッドとなることを約束できるだろう。
Magna-Impact HERETIC
MH610S-XL
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