北の大地へ その3

最終日
この日は午前中だけトライ。
皆は前日までで満足してしまったのか、
H氏と2人だけのペアで挑むことになった。
前日に行った滝の上流は、更に凄いらしい。
そんな話を前夜聞いていた。
藪を掻き分け、崖を越え、目指すポイントまで
車止めから歩いて1時間ほどの距離だ。
言葉では2行ほどだが、
結構な苦行を強いられる。
前日に通った踏み跡さえ消えるほど、
草木の勢いは凄い。
掻き分けながら上流を目指す。
降りられそうな場所を見つけて、
ロープを使って水辺まで降りる。
抜けた先は、言われた通りだった。
滝を下流に見て、足が竦む。
高い場所が苦手な自分には、
スリル満点の釣り場だ。
上流のポイントは淵が多く、やや高低差がある。
水温は前日より1度ほど低かった。
ずっと水に浸かっていると冷たくて
長くは入っていられなかった。
テンカラの場合、毛鈎を沈めるよりも
表層を流すと効果が良かったようで、
H氏のロッドは終始曲がった。
一通り毛鈎を流した後はルアーでも探る。
効果は覿面だ。
時間を忘れて上流を目指した。
各ポイントで魚が躍り出てくる。
楽しい時間は一瞬で過ぎ去り、
時計を見ると残りの時間は無かった。
最後に大淵が上流にあるらしいのだが、
帰りを考えると時間は足りない。
釣果は充分だった。
帰ろう。
来た道を折り返した。
崖の上に出ると林道になっていた。
昔は河川改修のためにトラックなどが
走った道だと思うのだが、
相次ぐ崖崩れなどで道は荒れ放題となり
草木がその優勢を極めている。
歩き出して
前方の藪が不自然に揺れた様に思えた。
気の所為だったのか…。
H氏が徐に爆竹に火をつけた。
やはり何か感じていたのかもしれない。
3日間も大自然に身を投じると、
色々な感覚が研ぎ澄まされているかのようだ。
草木の匂いや、鳥の鳴き声、
風で揺れる木々の枝の音など
人工物に周囲を守られた場所と違い
獣と同じ心境になれたのだろうか。
その後は何事もなく入渓点まで戻れた。
全日程が終わりを告げる。
歩き通した体は悲鳴を上げていたが、
疲れよりも愉しさが上回ってしまう。
また来ようと思った。


TackleData
【TENKARA】
Rod : TENRYU TENKARA FURAIBO TF39
Line : Fluoro 16lb(5m) & Nylon 6lb(1.5m)
Fly : 特製毛鉤(Special TENKARA Fly)
【Lure】
Rod : Cradle(改) CD50UL-4
Reel : #500class
Line : MI207N 4lb
Lure : Woodrem Arbor 5-7cm
   ぷらぐ屋工房 5-6cm
       LureStadioYAMATO 5cm
Wear : AnglersDesign Wetgaiters
         AnglersDesign AdvanceWadingShoes
Other : 熊鈴 & 爆竹(多数)
Angler : Staff Funaki

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