『柔』と『硬』

 

 

先日数年ぶりに関東地方に上陸した。

 

その台風の影響で波が立ち始めるのに合わせて、

 

ゴロタ石エリアでのナイトヒラスズキゲームに行ってきた。

 

 

 

結果としてはパターンを見つけてからは

 

も友人も入れ食い状態を堪能できたのだが、

 

この日は少々試したいことがあり

 

ちょっと普通ではチョイスしないであろうロッドで挑んだ。

 

決してそのスタイルを推奨する訳ではないし、

 

真似しても良い事がある訳ではないので

 

個人のブログ上ではタックル表記を【プロト】としておいたのだが、

 

この日チョイスしたロッドは SWAT SW97ML

 

シーバスロッドというジャンルの中でも相当曲がるロッドの部類に属するモデル。

 

勿論ボトムが平坦で根ズレの心配がない場所なら

 

何の心配もなく時間をかけてファイト出来るしランディングも容易だ。

 

しかしゴロタ石のエリアでは随所に沈む岩礁による根ズレ、

 

ランディング時は大きな石が密集するショアラインを波にタイミングを合わせて、

 

時に強引に引きずり上げなくてはならない。

 

 

 

 

 

ゴロタ場や岩礁帯のヒラゲームというと特に硬く張りの強いロッド、

 

いわゆるパワーロッドとよく言われるでロッドで根に潜られないように

 

ヒット後はハイギアリールでひたすらパワーファイト!

 

というのをイメージする方も多いのではないだろうか。

 

私はキャストから魚をキャッチする所までのロッドの性能というのを

 

【キャストからバイト】【フッキングからランディング】と分けて考えている。

 

強い向かい風の中ルアーを低弾道で狙いのピンポイントに遠投する。

 

荒ぶる波の中バイトとまでいかないまでも魚がルアーに触れた感触を感じ取る。

 

【キャストからバイト】のセクターで考えると

 

振動を吸収しにくい・張りが強く硬いロッドというのにメリットがあるように思う。

 

 

 

 

 

 

そして魚がルアーに食いついた瞬間、

 

フックのゲイブまで深くフッキングすることによりフックが伸びにくくなる。

 

魚のジャンプや首振りなどを含めて衝撃をいなし

 

魚のコントロールしてバレずにランディングする。

 

この【フッキングからランディング】での仕事は

 

衝撃吸収性、追従性に優れたいわゆる曲がるロッドの長所だ。

 

 

 

 

 

 

ロッド開発の現場においてこの相反する性質をどの位の比率で融合させるかが

 

【キャストからランディング】までをスムーズにこなす

 

【釣れるロッド】を生み出す鍵になってくる。

 

 

 

 

 

 

現在のシーバスロッドの多くは一頃より見直されてはきているが

 

【硬く張りの強いロッド】の方が人気もあり市場に多く出回っているように思う。

 

その一つの要因として【硬く張りの強いロッド】の方が試投会でのルアーの飛距離や、

 

店頭やブース出展の際にこんなに強いですよ!(曲がりにくい)パワーファイトなどの

 

【キャストからバイト】までのセクターで分かり易いキャッチコピーで

 

売り出せるところにあるからではないかと考えている。

 

 

 

 

 

硬く張りの強いロッド=パワーファイトというイメージが定着している為、

 

しなやかに曲がるロッド=パワーがないと思われがちだ。

 

しかし曲がるロッドだとしてもバッドに

 

しっかりとウェイトを乗せられるといくらでもパワーファイトは可能になる。

 

まあ極論ではあるけれどそんな事を再確認する為に

 

ゴロタのヒラスズキゲームには似つかわしくないSWAT SW97MLをチョイスしてみた次第。

 

 

 

 

 

 

さて86cmででっぷりと丸々太ったヒラスズキがヒットした。

 

ガツン!という感触と共にSW97MLがフルベントする。

 

右手に走られると根がありラインが触れたらアウトの状況。

 

ちなみにこれまた極論ではあるけれどラインはPE1号、リーダーはナイロン16lb。

 

フルベントのままリールを巻き続けとりあえず根から引きはがす。

 

曲がるロッドの特徴の一つでもあるが、

 

ドラグは緩めに設定していてもしっかりと曲がったロッドは

 

ガイドの抵抗がしっかりとかかる為必要以上にドラグは出ない。

 

手前までは難なく寄せてきて後はランディング。

 

大き目のセットの波を待って引きづり上げるのだが、

 

波に揉まれぬ位置でロッドテンションを保っておいて

 

その場でステイさせて確実にランディングできる波が来るまで待機。

 

 

 

 

 

 

テンションを過不足なく掛けておき、

 

ファイト中の魚をバラさずにその場でステイさせて置くことが出来るのも曲がるロッドの特徴だ。

 

そしてセットの波に合わせて一気にランディング。

 

 

 

 

 

 

 

 

この86cmのヒラスズキを頭に

 

70UP、60UPを中心に柔らかいとされるSW97MLで爆釣を堪能させてもらった。

 

ちなみに友人と比べファイトタイムも長い訳ではなく極々普通か

 

もしくは早いかといった感じだし、ラインブレイク、リーダーの結び換えは1回もなし。

 

曲がるからこそバラさずに魚をコントロールできるのである

 

…ということを再確認できた釣行だった。

 

 

 

 

 

 

ロッドのバランスというのは

 

飛距離を出すための張りと魚をコントロールする為の曲りのバランスのせめぎ合い。

 

硬い(曲がりにくい)=パワーファイトでは決してないということを覚えておいて欲しい。

 

 

 

 

 

 

TackleData

Rod : SWAT SW97ML (Exceed of Distance)

Reel : 13'CERTATE 3012

Line : STRONG8 #1 & Leader 16lb

Lure : CUTTER115

Wear : AnglersDesign

Angler : Y.Kubota

 

 

 

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