春から徐々に初夏の陽気に切り替わる季節。
アマゴ狙いの本格的なシーズンに突入してくる。
ヤマメの遡上魚はサクラマスと呼ばれる様に、桜が咲く頃に多い事から付いた呼名だが、
アマゴの場合はサツキマスの名の通り、サツキが咲く頃(皐月)が好機だ。
厳密には日照時間による水温変化や、その年の降雪量による雪代の影響で、
若干の違いは有ってもゴールデンウィークを過ぎると、
途端にアマゴの活性が高くなってくる。
今季は昨年に起こったラニーニャ現象の影響で、
例年より降雪が多く山は多くの水を湛えている。
前季は渇水に手を焼いたが、今季はその心配は無さそうだ。
さて、先日はいつものルーティンの如く河川に赴いた訳だが、
本流に行くか渓流に行くべきか迷っていた。
しばらく雨が降って無かった事で渇水気味であったが、
釣行日の前々日に纏まった降雨が有った。
アマゴ狙いで本流に行くつもりだったが、この雨でイワナが動く事も考えられた。
以前より狙い定めたポイントがあって、
そこなら大型のイワナが狙えると思っていたからだ。
迷った末に出した答えは、イワナ狙いで渓流に入り、
結果次第で本流でアマゴ狙いに切り替える考えだ。
ただ心配なのは、いくら5月とは言え山岳地は遅い春を迎えたばかり。
当日の天気は曇りで、それほど気温も上がらない予報だ。
少し不安要素を抱かたまま、件のポイントまで車を走らせた。
いくら長野県内と言えど、
中央アルプスを隔てた反対側に行くには少々時間が掛かった。
都心部から来るアングラーには申し訳ないが、
通勤圏内に無数の河川を持つ地域に住むと遠征に近い感覚だ。
向かった先は木曽川水系の支流。
比較的、山岳地の渓流で標高は1100m程ある。
早起き出来たお陰か、ポイントには一番乗りが出来た様だ。
そそくさと用意を済ませて河川に降り立つ。
水温は摂氏8℃。まだ空気も冷たく、まだ春を引きずっている。
イワナ狙いに適したミノーを結び、淵を中心に探っていく。
チェイスはするものの、狙いのサイズには程遠い。
2~3尾ヒットさせたが、想定の半分のサイズであった。
小移動を繰り返して何箇所か小渓流を探ったが、
思った以上の成果は得られなかった。
まだ少し時期が早かったかもしれない。
ここで大きく移動して、下流域でアマゴ狙いに切り替えよう。
先日の降雨でやや水位は高く少しだけ濁りがあるが、
回復傾向にある水量と水色の様に見える。
橋の上から見た限りでも、いかにも「釣れそう」と感じた。
狭い区間に瀬と淵が続き、水勢はアマゴに適した流れだ。
アマゴはヤマメに比べて、少し早い流れを好むと感じている。
もちろん緩い流れにも付くが、流れが効くと尚良いと思える。
さっそく探っていくと答えは早かった。
やや深い瀬を流し、瀬尻でコツンと待望のアタリ反応。
グルグルとローリングを感じる事から、アマゴである事はすぐに分かった。
7~8寸のサイズではあるが、やはり本流で釣れた魚は嬉しい。
気になって水温を計ると、11℃と他より少し高めの様だ。
標高が670mのエリアとなれば、水温も高くなるらしい。
丁寧に探っていくと、狭い区間ながら次々とヒットした。
不思議なもので春先に訪れた時は全く生命感が無かったのだが、
やはりGW過ぎは気配がムンムンしていた。
100m程の瀬で、次々と魚がチェイスしルアーを襲った。
これは当たり日か?と昂ぶる気持ちを抑えながら、
釣り進めて行くと次第にチェイスは少なくなった。
先程まで無風だったが、急に上流に向かって風が吹き始めた。
やや雲も厚くなった様に思え、飛んでいた羽虫も見えない。
自然の生き物は、こういった少しの変化に敏感に反応する。
あの時間が時合だった様だ。
以前に雑誌のロケで同じ事が有り、初日は全く駄目だったが2日目の午後、
一定のタイミングでバイトが集中した事があった。
解明出来ないが、捕食スイッチなる物が有ったのかもしれない。
こんな事が有るから釣りは止められない。
心残りは、ヒットしても全てのバイトをキャッチ出来ていない事だ。
フックの形状、ラインの種類、ロッドの硬さなのか、
タックルバランスとスキルを含め再考の余地が多い。
まだ始まったばかりのベストシーズン。一気に駆け抜けたい。
TackleData
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本流向け
Rod : Rayz (Prototype)
Reel : STELLA C3000
Line : MI-207N (Nylon 5lb )
Lure : ぷらぐや工房 6cm
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渓流向け
Rod : Rayz (Prototype)
Reel : ISUZU BC420 + Abeil Spool
Line : MI-207F (Fluoro carbon 5lb )
Lure : ルアースタジオヤマト 5cm
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Angler : Staff Funaki
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