ジグザム ワイルドマーク(コンセプト紹介)

 

近海ジギングロッドの『ジグザム』に久しぶりに新作が加わった。
新シリーズとしては9年ぶりとなるのが今作だ。
今回は『ワイルドマーク』の概要や開発に至った経緯を書いていこう。

【ライト&タフ】
ワイルドマークのスペックを見た方は、他に比べて対応ルアーウェイトが
とても広く設定していることに気付いて頂けたはずだ。
そしてロッドを持ってもらうと、軽く柔らかく感じて貰えると思う。
そう、このシリーズは近海ジギングロッドとライトジギングの要素を合わせ持ち
繊細にして強引な使用を可能とした新しいコンセプトを持たせている。


 

開発のキッカケは、スタッフUが通うフィールドにあった。
国内の中部地方を中心として、伊勢湾では愛知県側の伊良湖水道、
三重県側では伊勢鳥羽、日本海側では福井県の三国、石川県の輪島など
いずれも名の通ったフィールドであり、ターゲットの魚種も多彩だ。
これらのフィールドはライトジギング(スーパーライトも含む)も人気だが、
時期によって大型の青物も狙えることもあり近海タックルも必要となる。
面白いのはフィールドによってベイトの種類が変わり、イワシやコウナゴ、
太刀魚やゼンメ(ヒイラギ)などジグの形状や重さも使い分ける必要がある。
水深も浅場から深場、船の流し方もスパンカーとドテラ両方があり複雑。
言うならばライトジギングから近海ジギングの全てが必要なのだ。
また、人気のフィールドとなれば乗り合いでは満船が当たり前となり、
ヒットさせた場合ある程度は強引なやり取りも必要ともなる。
そうすると必然的に近海ジギング(ジグザム)が主役になるのだが、
前述の通りジグの扱う幅がライトジギング(ホライゾンLJ)で使う、
タングステン製の小型ジグでさえも使えることが望ましい。
そこでスタッフUからの提案で、ホライゾンのライトさと、
ジグザムのタフネスさの要素を合わせたシリーズを開発する事となった訳だ。

【シリーズの違い】
さて、ここまで解説すると他のジグザムやホライゾンとの違いが知りたいはずだ。
分かりやすい様に図表にしてみた。

ホライゾンとジグザムの差は、ラインの『太さ』とロッドの『パワー』であり、
ライトジギングと近海ジギングとの違いはここで分けられる。
ホライゾンのシリーズは、ライトジギングのカテゴリーとしている。
例えばホライゾンLJは太くてもPE2号以内としており、
対してジグザム・ディープライダーではPE3号以上が基本で、
太いラインを使えるほどパワーファイトに向いている。
例外にPE3号まで使用出来るホライゾンMJがあるが、
ジグザム程のファイトは得意ではなく、ストレートポンピングを推奨しており、
あくまでもライトジギングロッドのカテゴリーに属している。
ワイルドマークはライトジギングで使うライトラインも使え、
ロッドをしっかり曲げてのパワーファイトも得意とする点が特徴であり、
カテゴリーであれば近海ジギングロッド(ジグザム)としている。
細分化した呼び名を与えるならば、『近海ライトジギングロッド』になるだろう。

【ジグザムシリーズでの違い】
誤解を恐れず書くとすると、ワイルドマークで全てをカバーする事は不可能だ。
実際にはライトなタックルだけではカバー出来ないフィールドは存在し、
浅場で根が荒く掛けたら魚のランを止め勝負しなければならないフィールドや、
潮流が速く瀬に向かって流れる中では迫る瀬に触れる前に巻き上げる状況など、
タックルその物の力を必要とするシーンは多い。
ドラッグフォースは各地で必要とするフィールド別に作ったモデルが多く、
浅場でのヒラマサ狙いや激流でのブリ狙いなど力勝負の機種を多数そろえている。
ディープライダーは近海ジギングを広くカバーすることを想定しており、
PE3号以上で回遊魚の全般をターゲットにしたコンセプト分けだ。
道具の進化でリールが小型で巻き上げ力が高い物が出てきたり、
ラインは細くても強くなったことでワイルドマークが活きる条件は増えている。
逆にライトタックルだからこそ強みとなるのも事実だ。
条件を正しく捉え出しどころを見極めるのもアングラーの務めだ。

 

【可能性を広げるシリーズ】
フィールド、魚種や狙うサイズ、船の流し方、餌の種類、
ジグの形状・重さ、ジャークの方法などジギングロッドを選ぶ要素は広い。
今回ワイルドマークが加わったことによって、
以前よりも更に細やかな選択脈が増えたと言えるだろう。
先述の中部地区のフィールドの他にも、同じようなフィールドが各地にあり、
ワイルドマークが活きてくる条件は沢山存在している。
開発に携わった自分達でも、まだ使ったことのないフィールドに持ち込むのが
楽しみなロッドに仕上がったと思っている。
それだけ可能性を秘めたシリーズだと言うことだ。
さて、次回は特徴や使い方など詳細に触れていきたい。お楽しみに。
Staff Funaki

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