ジグザム ワイルドマーク(詳細と使い方)

前回はワイルドマークが生まれたキッカケと、コンセプトなどを説明した。

 →ジグザム ワイルドマーク(コンセプト紹介)2022年2月25日公開
今回では、効果的な使い方や特徴などについて触れていこう。

【曲がりを意識したアクション】
ワイルドマークの開発でスタッフUにコダワリを聞いてみたところ、
『曲がり』を意識したアクション(調子)に拘ったとのことだ。
近海ジギングで使用するが、ライトな感覚で使えるロッドを標榜している。
メタルジグの操作はティップを柔らかくしてジグが暴れることを防ぎ、
ジャーク時に飛ばし過ぎずに繊細に泳がすことも得意で、
ロッドを構えるポジションでキビキビと動かす事も可能とし、
ジグの挙動をコントロール出来る適度に曲がる調子を求めたと語る。

実釣の動画を見て頂くと分かる通り、
魚を掛けた時にはロッドはキレイな弧を描いているのが分かる。
バットには余力を残しながらも魚の引きを吸収しており、
何よりもアングラー本人がファイトを楽しめているのが見て取れるはずだ。

【得意なジャーク】
ワイルドマークが得意とするジャークは下記の3点だ。
①巻き中心のコウナゴ引き
②フォールを意識したスロー系ジャーク
③太刀魚パターン向けロングジグのスロージャーク


 『巻き中心のコウナゴ引き』とは、砂泥に隠れていたコウナゴが飛び出してきて
 逃げ惑う様子を演出するジャークの事で。
 細身のシルエットのジグをあまり左右にダートさせず、
 上に向かって泳いでくる様に動かすイメージだ。
 ロッドのポジションはティップを極力下げて、
 ベリーからバット部を使ってジャークを入れる方法で、
 バットガイドの辺りでジグを操作している様に操作すると良い。

 『フォールを意識したスロー系ジャーク』とは、
 潮流が緩み活性が低い状況で魚に口を使わせる方法として効果的だ。
 スロー系ジギングの要領と同じになり、
 ロッドのグリップエンドを肘に当て、ティップは水平より上を向かせる。
 ティップからベリー部を使って、ジグを横に向かせることをイメージして
 ジャークするとフォール時間を多く取れて有効な誘いを掛けられるはずだ。

 『太刀魚パターン向けロングジグのスロージャーク』とは、
 太刀魚の幼魚がベイトとなっている状況で効果的で、
 ロングジグをソフトにジャークして誘いを掛けることだ。
 ロッドの表記にあるベストウェイトよりも少し重ためのジグを選び、
 ジグがあまり動き過ぎない様にすることが重要となる。
 ‶コウナゴ引き〟と同じくティップの位置は下に構えて、
 緩いワンピッチジャークで探ると良い。

 もしベイトがイワシに変わる様なら、ジグウェイトを軽くして
 ジグのキレを良くさせれば通常のハイピッチジャークも充分可能だ。
 今までだと各々のジャークに向いたモデルが有ったが、
 様々なパターンにアジャストさせるバーサタイル性能が必要で、
 ワイルドマークはこれら全てに対応出来るアクションが特徴となっている。

【スピニングとベイトの違い】
スピニングとベイトでは、若干だがアクションの違いを出している。
スピニングは、浅場でキャストをして広く探る状況や、
ラインが斜めに入るドテラ流しの状況で扱い易くするため、
レギュラーファースト(RF)のアクションに設定している。
斜めに操作する状況ではジグを操作する部分が、
ロッドのベリー部に支点を持っていくと扱い易くなる。
その為にスピニングモデルはRFにした訳だ。
対してベイトモデルは、海面に対して垂直にラインが入る状況で扱い易く、
船のスパンカーを立てて常にバーチカルで探ることを想定して
レギュラー(R)のアクションに設定している。
先述のロングジグでは、バットで操作することで負荷を減らし
重く単調になりがちなジグを楽にコントロール出来る。

【グリップの特徴】
今作は細身のグリップに仕上げてライト感を演出すると共に、
ベイトモデルは20mmリアグリップを長くしている。
現行のドラッグフォースやディープライダーの場合、
ベイトタイプのリアグリップは400mmとしていたが、
ワイルドマークの場合は420mmに設定している。
これは脇に抱えて楽に安定してジャーク出来ることを意識してだ。
スピニングの場合はキャストすることを考えると、
他のシリーズと同じく495㎜に設定する方が都合が良かった。
ちょっとした長さの違いではあるが、
このグリップ長によって使い易さは格段に変わったと思えた。
ただし、全てこの長さが良いわけでなく、
全体的なバランスに合わせている事を付け加えておこう。

【パワー表示】
機種名を見ると、見慣れない表記に戸惑うかもしれない。
1/3や、2/4など、他のシリーズには無いパワー表記だ。
これはコンセプトである『ライト&タフ』に由来しており、
1/3であれば1から3番クラスのパワーに合わせていることを意味している。
ティップが柔らかく徐々にバットに向けて強さが増していき、
1番パワー(ライトジギング級)のティップだった所から、
3番パワー(近海ジギング級)のバットに移り変わっていく。
ティップが柔らかいため軽量のジグでも扱いやすく、
バットが強いことで強引なファイトも可能にする訳だ。

【釣り方に合わせる】
最後にロッド選択の方法を改めてお伝えしたい。
ここまで紹介してきて、様々なロッドがあって選ぶことも大変だ。
これからロッドを選ぶ方、既に持っていて追加したい方など、
お問い合わせを頂くことがとても多い。
そういった方にお伝えしているのが、下記の4点だ。
 ①ターゲットのサイズ
 ②ラインの強さ
 ③ジグのウェイト
 ④バーチカル or ベベル

詳しい事は『ロッドの選び方』にて紹介しているので参照頂きたい。


上記の4点を捉えていれば、的確な選択が出来るはずだ。
ライトジギングなのか、近海ジギングが適しているのか?
もし近海ジギングなんだけど、ライトな道具が有効と思える状況なら
間違い無くワイルドマークが活きてくるはずだ。
ぜひ、奥深いジギングの世界を味わって頂きたい。

Staffu Funaki

 

 

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