ロシアのカムチャッカ遠征も今回で3回目と気が付けば私もすっかり常連組みに!
最後の秘境とも言われるカムチャッカの大自然の魅力にどっぷりと嵌まってしまいました。
ちょっと過去を振り返ってみましょう。
2015年に初めてカムチャッカを訪れボリショイリバーでキングサーモンを狙いに行きました。
2016年には未開の地にビッグレインボー求めてワンダフルなイーチャリバーに行ってきました。
いずれも納得の釣果では無いとしても素晴らしい経験をさせて頂きました。
そして2018年、今年は再びボリショイリバーのキングサーモンにリベンジです。
今年こそは何としても10キロオーバーを捕りたい。
このボリショイリバーのボリショイとはロシア語で大きいと言う意味です。
雪解け水がツンドラの大地に大量にストックされ、絶える事無く悠々と流れ、
この川を訪れた方は誰もがその規模に圧倒される事でしょう。
凄まじい水量と水圧が押しの強い流れを形成し40gのスプーンでも
簡単に浮き上がってしまう程です。
当然フライラインもシンクレートの高いラインを使用しても中々深いレンジ
に入ってくれず、この川でフライでキングを仕留めるのは至難の業です。
しかも過去の経験から6月のこの川の水位はMAX状態と思われます。
釣り易い河原は水没してるので立ちこんで釣りをする事も難しい、
よってアンカーリングしたボートから釣る事が予想されますが、
この広大なフィールドで釣果を出す為には少しでもヒントとなるデータを収集し
答えを探すチームワークが必要になります。
リーダーOさん主導のもと事前の作戦会議やシュミレーションも出発前に行いました。
フライも研究に研究を重ね改良してキャストし易く且つ良く泳ぎボリューミーな物を作成し、
スプーンも過去の実績を参考にして専用の物をオーダーしました。
今回は言うなれば、
ボリショイリバーキングサーモンの集大成とも言えるのではないでしょうか。
北海道のノーザンライツ社のスプーン
40gのスプーンは日本では中々売ってませんので今回は0氏が集計を取りオーダーしました。
このスプーン、後に驚異的な釣果をもたらします!
Y氏考案のロッドラック
ルアー、フライそれぞれのロッドを干渉しないよう止められるよう工夫し改良され
た3型との事、迷彩にコーディネートする所がYさんらしい(笑)
このラックのおかげで後にラインが絡まずスムーズに釣りが出来ました。
Yさんに本当に感謝です。
そして6月中旬、世の中はサッカーワールドカップロシア大会で湧きあがる中、
我々は成田エアポートに集結しました。
同じロシアはロシアでも目指すは極東の地、カムチャツカ半島!
北海道からはリーダーの0氏と札幌のシェフのT氏
凄腕ルアーマンU氏は富山から S院長は上越から Y氏は遠く淡路島から
そして私の6名のメンバーでカムチャツカへ向かいます。
皆さん幾度と御一緒した顔なじみ、チームワークもバッチリです。
とにかくラフに扱われる事も考えてガムテープでグルグル巻きです。
S7航空の受付の方がとても親切で荷物のベストな預け方など教えて頂けました。
今日は成田~極東の大陸の町 ハバロフスクへ向かいます。
ふと目が覚めると雲の間から大陸が見えました。
何時見ても凄い、蛇行した川、
人が住んでいない道もない広大なツンドラの大地が広がっています。
ロシア極東フィッシングの拠点 インツーリストホテルに到着!
翌日朝の飛行機でカムチャッカに向かいます。
カムチャッカ半島が見えました
未だ山脈に大量の雪がストックされていました。
皆テンションが上がります。「帰ってきたぞ~」
ペトロパブロフスクカムチャッキー空港に到着です。
2年振りに通訳のマリアさんにお会い出来ました。
「タケチャンゲンキデシタカ?」
懐かしい響きの日本語ににカムチャッカに再度来れた嬉しさが込みあげる。
途中燃料をチャージ!(我々の燃料です)
このビール計り売りのシステム!
少々時間は掛かりましたが安くてとても美味しかった。
2日間移動して漸くビッグリバーロッジに到着!
何時来ても快適なロッジです。
いよいよ明日から4日間の釣りが始まります。
今回はどんなドラマが起こるのか?
DAY1 天気 曇り
早速Yさんが設計したオリジナルラックをボートに設置
強力両面テープでガッチリ固定できました。
出発です。やはり水位は満水で立ち込める河原などありません。
森が水没してます。
例年よりも更に水量が多い様です。
そして、迎えた待望のスタートフィッシング!
フライとルアーでローテーションしながら
ポイントを変えながらボートでランガンしていきます。
基本ポイントは本流筋と支流のぶつかるYパターン、その馬背にアンカリングして流れの
交わった緩い緩和滞を攻めて行くのですが、
フライの場合はとてもスイングする流速も無く、更には風でボートが動いてしまう。
中々フライでテンポ良く探っていくのが難しい状況でした。
逆にルアーは圧倒的な飛距離で広範囲を早くリサーチ出来、すぐ結果が出ました。
初日いきなり徳島のYさんがビッグワンをゲット!
9kgと惜しくも大台には乗りませんでしたがナイスな魚体でした。
Yさんに竿の感想を聞くと余裕で落ち着いてファイトが出来たとの事でした。
私の竿にも待望の生命反応が!
ジャンプの後ドラグが出されます、魚が見えたのでそれ程大きいサイズではありませんが
久々のチュウイーチャ(キングサーモン)猛烈にショアジグロッドを捻じ曲げます。
4kgクラスとこの川ではアベレージサイズですが
強烈な引きにアドレナリンが出まくりました。
その晩のデイナーで各ボートでの釣果や状況報告をしましたが、
表層でのバイトが多くスプーンの色はチャートが圧倒的に反応が良く
地合いは11時から12時に集中した等、各ボートで様々な共通点がありました。
初日に小さいながらキングがゲット出来たので良いスタートが切れました。
DAY2 天気晴れ
皆さん朝早起きして昨日のヒントを基にタックルを変更します。
沢山のフライラインからボディーとティップを変えて棚に対応していきます。
私もボディーをスカジットボディからタイプ3のフルシンキングボディーに変更
しかし・・・
2日目は川が沈黙してました。
昨日はモジリなど生命反応がありましたが今日は全くありません、
ルアーですら何も釣れません。
ドピーカンで全く口を使わないのか?
それとも昨日居た群れは遥か上流に上がってしまったのか?
結局2日目は何も無く終了、
凄腕U氏は何本かチュウイーチャを釣られた様ですが渋かったとの事。
2日目の晩は前回同様にイタリアンシェフのT氏率いる我々が料理を作ります。
(殆どはT氏が作ってます)
前回は日本のチラシ寿司とちゃんちゃん焼きを作りましたが、
今回はシェフが本格イタリアンコースを振舞いました。
パセリが無かったのでロッジの前に生えてるコジャク(山菜)を代用したり
あるものを生かして仕上げてしまうなんて流石プロ!関心しました。
シェフの指示で皆さんで手分けして8品の料理を完成させました。
今回のシェフのメニュー
イクラと米のサラダ
イタリア産サラミ
ベーコンと野草のイタリアンオムレツ
トマトと豆のパテ(仕込み済み)
鶏レバーのパテ(仕込み済み)
パスタ スモークサーモンのマカロニ、ディルの香り
メインディッシュ ミートボールとパプリカのトマト煮
又は 鶏の香草風味ロースト、ジャガイモの添え
パンナコッタとフルーツ
流石プロです、どれも本格イタリアン、美味しかった。
特にこのクリームパスタ、煮込んだ生クリームにスモークサーモンを加えほぐし
ながら更に煮込み,茹でたパスタを入れて和えて完成のシンプルなパスタですが、
これがメチャクチャ美味しかった~!
次に札幌のシェフの店に行ったらこのパスタをオーダーしよう。
またまた異文化の宴は盛り上がりました。
DAY3 天気曇り
朝、頭が痛い~
夕べの宴でロシア人客にすすめられウオッカを飲みすぎてしまった為です。
それでも強引に朝食を流し込みました。
この日はモーニングの時、同じクルーのS院長と凄腕U氏で話し合い、
サーモンは上流に上ってしまったのでは?
と予測し思い切って最上流エリアに行く事に決めました。
40分ほどボートで川を上ります。
3本の流れが交わるインターセクションに広いエリアの緩和滞が形成されています。
流心から緩和滞にスプーンを通します・・・
緩い流れに入った所で竿が弧を描く! フッキングを入れた後に強烈に暴れますが
パワーマスターPML100M が魚をいなして寄せます。
しっかり負荷に応じて曲がりこみ、
魚の動きに追従して常にテンションは一定でバレル気がしません。
アベレージサイズでした。
S院長も5kの良型をゲット!
全てノーザンライツ社のマスターアングラー40gチャートカラーでした。
そして、この後は凄腕U氏の怒涛のラッシュが始まる!
何が凄いって集中力がハンパナイ!
シーンによってスプーン、ミノーを使い分けとにかく釣るのです。
この日最後は10キロジャストをゲット!
対20キロをターゲットにしたタックルですので秒殺でした。
タックルを聞いてみるとPE4号との事(外房ヒラマサ並みのガチタックル)
この日は他のクルーも好調だったようでロッジに戻るとなにやら賑やかだ。
そこにはシェフのご満悦な笑顔が!
シェフが待望のビックフィッシュ7キロをゲットしていた。
そしてそして更に
ロッジオーナーのビタリーの船でフライ1本で貫いていた我らがリーダーの0氏が
3日目にして遂にフライでぬあんと13キロを仕留めた!
最初耳を疑いました 只者ではないと思っていましたが本当に只者ではなかった!
その執念に恐ろしさすら感じました。
まさに「為せば成る」です。
3日間私の乗ったクルーのガイドをしてくれたセルゲイ
謙虚で優しくてナイスガイだった、有難うセルゲイ。
皆さん3日目はそれぞれにドラマがあった様で
この晩のビールはさぞかし美味しかったのではないでしょうか?
がしかし?本音を言うと苦しい私がそこに居ました。
私はと言うと未だ4キロクラスしか釣れていません(涙)
ビールが喉を通りませんと言うのは大袈裟ですが
明日は最終日かと思うと平常心を保つのが大変でした。
このままでは終れない マジで苦しいんですけど(涙)
DAY4 天気曇り
今日は大荒れになる予報、この天候が吉と出るか凶と出るのか?
いよいよ最終日、ここでの4日間は本当にあっという間に過ぎます。
昼間は日本より3~4時間は長いはずなんですが?
時間軸違うんじゃないかと思ってしまいます。
この日も空回りでルアーチェンジばっかりで全くもって自分のペースで出来ていない。
そんな中、同じクルーのYさんが午前中2本のチャウイーチャをゲットした。
午前の部、私はノーフィッシュに終る。(こりゃホントヤバイ)
昼食後、フックを変えたりラインを変えたり
最後のステージに向け万全の準備をしながら考えた。
結果はどう有れ最後まで全力を尽くそうと自分に言い聞かせる。
午後2時出船!いよいよファイナルステージです。
ポイントに着く頃には予報通りに荒れてきた。
10mの風と雨、ガイドのイーゴリも風の影響が少ないポイントをチョイスしくれた。
Yパターンの合流点、
規模は大きくないが水深はあり大型がストックされてそうな太い流れだ。
ルアーに絞りスプーンのスローリトリーブで深い棚を流す。
流心を過ぎた所で竿が曲がる?沈んだ流木にガッチリヒットしたかのような
感触が伝わる。「何だっ・・・」
すると、グイングインと生命反応が・・・サカナだ~!
ドラグをきつく絞めたリールからラインが出される、今までの魚と重量感がまるで違う!
ベリーからバッドのあたりに力を込めて追いアワセを入れる。
魚体が水面に出て暴れた。
「ふとっ!」
一瞬体高のあるギンギンの魚体が見えた。
そこからまた流心に向かって走る。
PML100Mのティップがラインの一部の様に上下しています。
ガイドのイーゴリはいつでもスクってやると目で合図している。
サカナが浮いてきたので強引にランディング~
しかし失敗、まだ全然元気だった(アブナイアブナイ)
沖に、船底に、浮いては走られを数回繰り返しますが
竿が魚の動きに追従してくれるので冷静にファイト出来ました。
数分後、魚が浮いてきそうな少し弱いテンションになった。
ガイドのイーゴリに目で合図をする、「これから浮かせるんで頼むよと」
イーゴリもわかってくれた様だ。
バットでサカナを浮かせる!!
イーゴリ体を張ってランディングしてくれた。
「ヤッタ~!!」
ヨッシャーこれで日本に帰れる~!
この時は10キロ有るか無いか微妙かなと思ったがロッジに帰って計測すると11キロ!
念願の10キロオーバーを最終日の午後にゲットできました。
ウソの様な本当の話です(笑)。
長さは無いのですが太さがありました。
ラストナイト 乾杯!
4日間全ての釣りのスケジュールが終った。
この日はゆっくりサウナに入り美味しい美味しいビールを頂きました。(笑)
他クルーでは上越のS院長がビタリー社長の船で昼食も取らず強風の中フライで通して、
やっと待望のキングを掛けたが惜しくもも途中でフックアウトしたとの事だった。
惜しかったがあの状況でフライでチャレンジしたS院長カッコいいぜ!
それぞれが全力を尽くして皆ビックフィッシュをゲット出来た。
写真もテーブルに追加された。皆トロフィーサイズだ。
前回の写真も未だ健在です。
翌朝荷物をパッキングして出発の時
外は雨だったのでロッジの中で記念写真です。
このビッグリバーロッジは本当に居心地がいい。
釣り抜きでここでのんびりするのも凄い贅沢かもしれない。
今回も大変お世話になりました。
帰りのバスが1時間遅れてロッジに到着し
ダートを全快で爆走していると車から異音が!
オーマイゴット!
なんと強靭なバン用ラジアルタイヤにスパナが刺さってる!!
アスファルトではありえないがダートならスパナが地中に突き刺さってた所を
上から踏んでしまったのか?
ただでさえ巻き巻きの状況です、飛行機の時間大丈夫か?お土産を買う時間はあるのか?
若干気持ちにゆとりが無くなった時、
O氏が言った「俺らは飛行機さえ間に合えば良いので落ち着いて作業して下さい」と
これは今時で言う「神対応」たる事か?
流石O氏、我らがリーダーだっ。
何とかギリで飛行機にも間に合いそうだ。
空港でマリアさん家族が見送ってくれた。
いつも全力で僕らの言葉を通訳してくれる。
スパシーバ マリア
ダスヴィ ダーニャ
カムチャッカビール飲み納め(笑)
さらばカムチャッカ!
最後に御一緒した素晴らしいメンバー、そしてこの地に私を引き込んだO氏、
送りだしてくれた会社の皆様、本当に有難うございました。
簡単に来れない場所だからこそこの地への思いも大きくて
帰ってからジワリジワリと思い出が蘇ります。
広大な平原を蛇行しながら流れる大河!遠くには雪を蓄えた山脈が聳え立つ!
まだまだ未開拓で人が行けない場所が殆どと言う最後の秘境カムチャッカに
もう3回来たから、また行けそうな気がする(笑)
頑張ってまた来よう。
Tackle Data
【 Lure Tackle -1 】
Rod : POWERMASTER LightCore PML100M
Reel : Twinpower 5000
Line : PE2号(YGK) & Leader Fluoro 25lb
Lure : NothanLights MasterAngler (30g , 40g)
【 Lure Tackle -2 】
Rod : POWERMASTER LightCore PML96MH
Reel : Twinpower 5000
Line : Nylon 20lb
Lure : Sinking Minnow Plag (13cm)
【 Fly Tackle-1 】
Rod : Fates ExDrive FED1504-#10
Reel : Hardy Marquis No.3
Line : STS-R (Type 3) Leader -4X
Fly : TubeFly
【 Fly Tackle-2 】
Rod : Fates ExDrive FED1504-#10
Reel : Large Arbor
Line : DST9Mカット (Type 6) Leader -4X
Fly : TubeFly
Angler : Staff T
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