各地の展示会などで商品の紹介をしていると、
「 天龍らしい、ブランクだよね 」…と言われる事が多い。
この言葉を何度も耳にするが、何が『らしい』のか?
総じて共通する事は、『ネバリが強い』ではないだろうか。
確かに私をはじめスタッフ全員が、
「ウチのサオは、ネバリヅヨイ」と答えるだろう。
では、ネバリとは何だろうか?
マグロを狙うロッドから渓流のテンカラ竿に至るまで、
どんなロッドでも、よく言われている。
定義付けすると、なかなか曖昧な部分で表現しにくい点ではあるが、
私の考えとして、『 耐久力 と 復元力 』と解釈している。
耐久力とは、ブランクが破断するまでの限界値。
復元力とは、負荷をかけると入力された方向の反対に戻ろうとする力。
または、潰れた円が戻ろうとする力でもある。
この2つの力の値が高いことで、
『ネバリ強い』と表現されているのだろう。
硬い = ネバリ強い …という訳ではなく、
『耐久力と復元力が強い = ネバリ強い』ということだ。
ただ…間違っていけないのは、1ピースのソリッド材を使った竿は
思いっきり曲げても折れ難いロッドになり易いが、
テーパーによっては復元力が少なくて曲がりっぱなしの竿もある。
ちゃんと元に戻ろうとする力が発生してこそ、ネバリのあるロッドだと思えてならない。
ターゲットの獲物が掛かった際に、
ロッドとラインの角度を常に直角(90°)に保てるようにしてみて頂きたい。
適正なドラッグ値などでファイトすると、
グリップを持っているだけで、自然と曲がったロッドが戻っていく。
これがブランクに仕事をさせるという事で、
TENRYUユーザーをはじめ釣りの経験が豊富なアングラーは、
ファイト時に自然と実践している事かと思う。
追記
近年はC・N・Tなどナノ系素材が台頭してきて、
更に軽量でネバリ強いロッドの製作が可能になってきている。
25年前のオフショアのルアーロッドは太くゴツイ印象であったが、
スロー系ジギングやタイラバロッドなど驚くほど細いロッドが普通になった。
リールやラインの進化も関係しているが、
まだまだライトタックルの進化が進むのではないだろうか。
これから25年先のロッドは、どんなに細くてネバリ強いのだろう?
釣竿屋の小言でした。
Staff Funaki
(この記事は2012年6月28日に掲載したモノを改筆しました)
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