ブリとプリンと本物と

 

以前にオフショアジギングで、青物を狙いに行きワラサが釣れた。

獲物を持ち帰り、家内に見せるとブリだと騒いでいた。

いやいや、これはワラサだよ(笑)と話をしても、何が違うの?と言われる。

サイズによって呼び名が変わると答えても、でも、ブリなんでしょ?と一蹴。

まぁ、地域によってはブリとして鮮魚店に並ぶ事も有るんだけど、

釣った本人としては何か不甲斐なさを感じてしまった。

 

別の日、仕事帰りに甘いものが食べたいなと思い、コンビニでプリンを買って帰った。

それを家内に見せると、これは本物のプリンとは違うと言う。

私には訳が分からない。

買ってきたのは、どこの店舗にも置いてあるプラスチック容器に入った安価品だ。

説明を聞くと、牛乳と砂糖を混ぜた卵液を容器に入れ、

レンジなどで加熱して固めた物が本物らしい。

元々、家内は洋菓子店で働いていただけあって、

そちらの知識が明るくプロから見れば本物との違いがハッキリしているのだろう。

決してプラスチック容器に入っている物が偽物という訳ではなくて、

どっちもプリンだけど製法の違いで分けられる事も有るってことを知った。

 

似ている製品というのは全世界どこに行っても有る。

どんな世界でもパイオニアとなったブランドは、

何にせよ確固たるオリジナルとして認知され、

それより後発の製品はオリジナルをインスパイアした物になるのが常だ。

ラーメンで言えば、家系とか長浜系と言えば分かりやすいだろうか。

本家!元祖!と街を歩けば見聞きする言葉だが、

何が違うの?と聞かれたら『心意気』だと私は答えたい。

同じ材料、近い製法であっても、作り手がコレだ!と

自信を持って出すからこそ各々にオリジナルが生まれる。

まぁ、たまには紛い物は有るわけで、

本質を見抜けなけないと損した気分になるので注意も必要だけどね。

 

釣りに使うタックルだって同じで、『○○系』と呼ばれる物は沢山ある。

何かが流行すると似せた製品は増えるし、

それを起点に新たなジャンルとして定着したり廃れたり。

そうやって釣りの遊び方に広がりが出来る。

 

上記の写真は、初代レイズの最初期にあたる試作サンプルと、

2020年にリニューアルした2代目レイズのグリップを並べて撮影してみた。

最初期の試作品だけあって粗削りな面は否めないが、

オリジナルを求めて試行錯誤していた事を思い出す。

基礎となる物は他にあったけど、オリジナルの形状を求めた結果だ。

 

どっちが本家とか元祖とか不毛な争いは避け、

切磋琢磨し更に極めた物をクリエイトしていくのが作り手の指名と思える。

勿論、そこに特許や意匠などの権利は守っているのが前提である。

そして、作り手が信念を持って挑んだ物が本物だという事だ。

私は信念を持って釣りに挑んだし、

もしかすると…あのワラサはブリだったのかもしれない(笑)

釣竿屋の小言でした。

Staff Funaki

 

 

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