開発秘話 ヘルティック編 第1話
ラバージグとテキサスリグの
スペシャルモデルが欲しかった。
他のリグは考えていない。
カバーの中にルアーを送り込み、
バイトがあったら瞬間的なフッキングと
暴力的なバットパワーで、
カバーから魚を引き剥がすことを目的にテストを繰り返した。
掛けて掛けて掛けまくる。
『静』から一瞬にして『動』に変わる、
この瞬間が堪らないのだ。
少し昔の話。
90年代バスロッドは高弾性化が顕著であった。
弾性率が高いモノが良いという風潮があり、
弊社も高弾性バリバリの スーぺリア をリリースした訳だ。
この頃のロッドというと、
高弾性 = 高感度
…というのが一番の理由だった。
ジグやテキサス等の
底物系ルアー達には必要不可欠であった。
しかし、
高弾性素材だけを使用したロッドは、
ネバリが少ないのである。
そこでネバリを重視したアクションへ時代は変化してきた。
高弾性のロッドは当たり前となり、
4軸カーボンシートなどで
ネバリの部分をアシストする様になった。
だが物理的に今まで巻いてある上に
更に上乗せされたら、自重は増えていく。
肉(カーボンの積層)が薄いとネバリは落ち、
強度だって低下させ兼ねない。
もはやブランクの肉薄化は限界に来ていた。
そこで、白羽の矢が立ったのが
C・N・T素材 というわけだ。
ネバリを持たせたながら高弾性化も可能。
単純に考えると、
今までの軽量な自重でネバリを上げられるのだ。
決して4軸カーボンシートを否定している訳ではないのだが、
C・N・T素材の効果で必要性が薄れてしまった訳だ。
話を戻すと、
高感度で掛けにいくロッドということだ。
アクションの説明をすると、
教科書通りのファーストテーパーである。
リアグリップは、少々短く設定した。
これはピッチングなどのキャストが多い事を選んでだ。
手返しの良さを探っていたら次第と長さは決まってくる。
リールの選択は自由だが、
近年のベイトフィネス系のリールでは、
若干フロントヘビーに感じる。
自重200~220g程の
ハイギヤードタイプとの相性が良いと感じている。
色々と試してみて、
好みのセッティングを出すのも面白いだろう。
ロッドは、まだまだ進化していく。
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