ルナキア LK582S-LS 開発秘話

 

 

Lunakia LK582S-LS    5'8"(ft)  2pcs Lure(MAX2g)  Line(MAX2.5lb , PE0.3)

 

 

 『超フィネスリグ向けショートモデル』 

初めに伝えておかなければならないのは、このモデルはフィネスに特化しているため、

初めてライトゲームを始める方には少し優しくないロッドかもしれない。

基本の1本を求めるなら、ルナキアLK632S-LMLSの方が応用力に優れており、

ベースとなるロッドと一緒に使い状況にアジャストして使うと効果的なロッドだ。

想定していたのは、2gを上限とした超軽量のリグの操作性を高めたロッドで、

水深は10m以内で0.6~1.2g程のリグを気持ちよく扱え、

ルアーを操作する際は超ファーストに感じ、魚をフッキングさせると

徐々にバットに荷重が移行していく可変アクションに仕上げている。

テスト時のリールは、D社1000番クラス(自重170g)を使用していたとのこと。

 

 

参考タックルバランス

 

・リール:160g以下

・ジグヘッド単体(1g以下):モノフィラ(1-3lb)、リーダー(フロロ3-5lb)

・スプリットショットリグ(~2g):モノフィラ(1-3lb)、リーダー(フロロ3-5lb)

 

 

 

 

 テスターからの要望 

フィールドテスターの蔵野氏からの希望では、

繊細かつ曲がりを楽しんで掛けにいけるロッドが欲しいと言われていた。

アジングを例にして挙げると、彼がメーンフィールドとしている北陸エリアでは、

ベストシーズン中であっても水温の低下で一時的に活性が下がり、

『居食い』と表現されるついばむ様な小さなアタリしか出ない事があるそうだ。

そうした状況では、今までの掛ける事だけに焦点を当てたロッドだと、

コン!というアタリが有ってもフッキングが出来ないことが多い。

これはバイト後に、魚が異変を感じた時に出た反応を捉えている事だと想定され、

アングラーは一生懸命フッキングを入れても掛かり難くなる。

ならばキンキンのロッドではなく、少しマイルドなアクションにする事で、

バイトがあってもルアーを吐き出すタイムラグを作れるとフッキングまでの

アドバンテージを稼げるのではないか?と考えた。

 

 

 

 開発スタート 

初回の試作を作りテストしてみると、なかなかの手応えが有った様で、

違和感の様なアタリを聴きに行きながらフッキングに持ち込めると語っていた。

そこでフッキング性能を求め更に先調子のサンプルを作ってみたが、

そうすると極端な曲がり方になってしまいフィーリングが悪いとの事だった。

ファーストサンプルのテーパーをベースに全体的に張りを出し、

ソフトなティップと高い操作感を維持しながら、

しなやかに曲がるアクションを求めて次のサンプル作成へと移っていった。

実は最初は5'9"(ft)で始めたロッドだったが、

シェイキングし易くしたいとの事でバット部を1インチ詰めて5'8"(ft)になっている。

ちょっとした長さの違いではあるが、このコダワリは最後のバランスに関係して来る。

 

 

 

 試行錯誤の結果 

結果的に行き着いたのは、細く加工したカーボンソリッドをティップに採用し、

EXファーストのアクションを表現しながら、ベリーからバットに掛けて

適度な張りを持たせたローテーパーにする事で、荷重を掛ける毎にバットへ

カーブの頂点が移行していくアクションに仕上げてみた。

これにより、1g以下の軽量なジグヘッドリグを使っても、

ティップが適度に入ってくれるので潮流を感じられる様になり、

微細なバイトを捉えながらも聴きアワセを入れられる事が可能になった。

また副産物として、キャスト時にロッドのしなりを活かせるので、

ショートロッドであっても6ftクラスと遜色ないシュート能力も併せ持つことが出来た。

 

 

 

 大切なのはバランス 

これでブランクは完成だが、

ロッドはガイドやグリップなどパーツとのバランスが重要となってくる。

いくら良いアクションが出来たとしても、バランスを崩すと元も子もない。

ガイドは軽さと使用するラインを考えて、トップ部には小口径のKタイプ、

バット部にはATタイプのガイドを採用している。

ATタイプは、本来エリアトラウト向けに作られたガイドで、

当時モノフィラメント(単糸)での使用が前提で作られている。

軽量化を図れることと、フロロカーボンやエステルといった単糸での使用を考えて

このフレーム形状のガイドを選んでみた。

PEラインの使用も可能ではあるが、ロッドのコンセプトである軽量リグを

使い易くなるには適度な比重を持った単糸の方が適していると考えている。

ターゲットサイズにもよるが、出来れば2lb以下の極細ラインを使って貰うと、

このロッドの持ち味が活かせるようになってくると思う。

テスターの蔵野氏曰く、テスト時のリールは170~175g程のリールを使っており、

この位の自重を目安に使って貰うとバランスが取りやすくなるとの事だ。

 

(2019年4月の段階では、160g以下が更にバランスが良いとのこと)

 

 

 

最初にも書いた通り、少しピーキー感があるモデルではあるが、

ある程度ライトゲームを嗜んでいるアングラーには何かビビビッ!と来る

アクションに仕上がっていると思っている。

他には無い、天龍アクションを感じられる一振りを体感して欲しい。

 

Staff Funaki

 

 

 

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