Lunakia LK632S-LMLS 6'3"(ft) 2pcs Lure(MAX3g) Line(MAX3.0lb , PE0.3)
『掛け重視のフィネスモデル』
アジングやメバリングなどスーパーライトゲームにおいて、
ジグヘッド単体のリグ(後述ジグ単)はスタンダードとなっている。
そのジグ単を使用しての『早掛け』にこだわって作ったのがLK632S-LMLSだ。
参考タックルバランス
・リール:170g以下
・ジグヘッド単体(1-3g):モノフィラ(1-3lb)、リーダー(フロロ2-3lb)
・スプリットショット(1-3g):モノフィラ(1-3lb)、リーダー(フロロ3-5lb)
コンセプトを固める
テスターの蔵野氏と次期モデル(現在のルナキア)の話を進めていた時のこと。
いろんな案が飛び出してくるけど、とりあえず『基本となる機種』が必要と思えた。
ジグヘッド単体での使用は、リーリング中心の操作からロッドワーク中心の使い方が重視されてきていた。
ルナキア・ソニックでも、LKS610MLといったモデルを追加したのも、
ロッドワーク中心の使い方に対応する為ではあったが、時代は更に先の次元での要求が高まっていた。
一昔前とは違い、アタリを捉え積極的にフッキングを入れて
掛けていくスタイルが定番となり、ロッドは繊細で張りが強いのが当たり前となったが、
どうしても掛けることを重視し過ぎるとロッド全体が硬くなりすぎてしまう。
ロッドをスイーピングして常にラインを張った状態を作らないと
潮流の変化や本命のアタリも取り辛く、熟練者向きのロッドになりがちであった。
そこで私達が出した答えは、
誰でも扱い易く『掛ける』事が楽しくなるロッドにしてみようと考えてみた。
ルアーウェイトは、使用頻度の高い1.2~2.0gのジグヘッドを操作し易い範囲に設定し、
長さは操作性を重視して6'~6'5"(ft)辺りを見込み、
実釣テストを行いながらスペックを絞り込んで行く事とした。
試作スタート
テスターの蔵野氏からの要望で、先ずはソリッドティップのモデルから試作が始まっていく。
ソニックのLKS610MLをベースとして、長さとアクションを調整したロッドを作ってみた。
最初のレポートでは、目的のルアーウェイトは扱い易いとの事だったが、
ダルさが目立ちフッキングレスポンスが低いとの事だった。
もう少し張りを持たせた機種を作ってもみたが、次も厳しい結果を突き付けられる事になる。
潮流の変化を捉えるにはソフトなティップが必要不可欠で、ソリッドティップの良さは感じていたが、
チューブラ(中空構造のブランク)に比べ、
比重が高いソリッドは弾性率を高めてもソリッド自体の重さでティップにダルさを感じさせてしまう。
チューブラティップの限界
試しにマグナフレックス製法で、全てチューブラのアクションのタイプも試作している。
適度な張りが表現でき、感度とフッキングレスポンスは高まったが、使用方法を誤ると簡単に折れてしまった。
原因はソリッドに近づけるために、極限まで細く加工したチューブラでは、
フッキングやファイト時にロッド角度を付け過ぎると負荷に耐えきれないからだ。
これでは誰にでも扱い易いロッドとは言えない。
ティップ部はソリッドと決め、ソリッド部の長さや弾性率、
穂持ちと呼ばれるソリッドを繋ぐ位置の弾性など、あらゆる角度から試していく事にした。
テーパーの重要性
LK582S-LSとの比較を見て欲しい。
ブランク(バット部)の太さが、明らかに太いのが見てとれる。
これは『掛け』に特化させるため、ティップとの角度(テーパー)を大きくしてロッド全体に張りを出させる為だ。
昔のロッドは、今ほど高弾性の素材が無く、
ティップとバットとのテーパーを大きくして調子(アクション)を出していた。
昨今は高弾性素材を取り入れる事で、細身であっても先調子(ファーストアクション)を表現出来る様になったが、
最初のレポートに有った通りダルさを解消するには、昔ながらのテーパー設計が理にかなっていたのだ。
最後に出した答え
テストを繰り返し、最終的に行き着いた答えは下記の通り。
①適度な柔らかさと感度を備えたショート・カーボンソリッドティップ。
②『早掛け』を可能にし、ダルさを払拭した急テーパー設計。
③負荷に応じて曲がり込む可変アクション。
これが現状で考えられる『掛け重視のフィネスモデル』の答えだ。
新型ルナキアの中核を担うモデルでもあり、ジグヘッド単体で『掛け』を重視するのであれば、
とりあえずLK632S-LMLSを選んで頂くと良いだろう。
Staff Funaki
JUGEMテーマ:フィッシング
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