初夏のサクラ

 

 

5月半ばを過ぎた頃、フィールドテスターの佐藤氏から連絡が入った。

 

そろそろ中流域で、面白い釣りを出来そうとの事だった。

 

前週に雑誌取材で魚をキャッチしており、かなり期待が持てる。

 

今回こそは、魚をキャッチするシーンをカメラに納められそうだ。

 

 

 

 

 

前回、宮城県・北上川水系に訪れたのは4月の中頃。

 

動画撮影を目的に訪れたのだが、

 

残念ながら魚をキャッチするシーンを撮影する事が出来なかった。

 

 以前のblog

 →北の桜を求めて(2017年4月26日)

 

佐藤氏もホームフィールドで、

 

結果が残せなかったのは心残りだったのではないだろうか。

 

 

 

 

 

今回は、同じ北上川水系でも支流にあたる中規模河川が舞台。

 

ターゲットは、遡上してきたサクラマスだ。

 

下流域で数多のアングラーから狙われ、

 

その包囲網を掻い潜り遡上してくる猛者を狙う。

 

しかも、水温が高くなる初夏のシーズンであり、

 

一筋縄ではいかないのは明白だ。

 

繊細なアプローチとテクニックが要求され、

 

そのスキルに見合うタックルが必要とされる。

 

これだけゲーム性の高い釣りを、ぜひカメラに納めたかった。

 

 

 

 

 

予定を調整し、宮城県入りしたのは6月初旬。

 

前々日に纏まった雨が降り各河川は増水したあと、

 

濁りが取れてきたタイミングであった。

 

遡上魚がターゲットだけあって、この上ない条件が揃ったと思える。

 

初めて見たフィールドの印象は、6-7ftのロッドが有ると良さそうな川規模で、

 

普段であればヤマメ狙いに面白そうと思えた。

 

気付いた方も居るかもしれない。

 

そう、Rayz Spectra RZS71MLの開発の舞台ともなった場所だ。

 

このロッドが必要とされる場所で、カメラを回すこととなった。

 

 

 

 

 

最初のポイントに入り、状況を確認してみる。

 

少し水位が高いが、気をつけて進めば釣り下って行けそうだ。

 

佐藤氏は、ラインに6cmのミノーを結び探り始めた。

 

太い流れに細い分流が流れ込む地形で、

 

その流れが合わさる辺りにルアーを撃ち込んでいる。

 

数投後、ロッドは魚信を捉えた。

 

RZS71MLが絞り込まれている。

 

翻した魚体は銀色に光っていた。

 

しかし、魚は激しく抵抗しフックを外し逃げていった。

 

無念のバラシ。

 

スレンダーな魚と言っていたが、間違いなくサクラマスだった。

 

 

 

 

 

気を取り直して下流へ下りながら、各ポイントにルアーを撃ち込んでいく。

 

6cmのヘビーシンキングミノーを、

 

ブッシュぎりぎりにキャストし、トゥイッチ&ジャークで誘いを掛ける。

 

繊細なアプローチを続け、掛かれば激しいファイトが待っている。

 

川は増水した事で、両岸のブッシュが冠水しストラクチャーを形成しており、

 

どこに投げても魚が潜んでいそうと思えた。

 

この緊張感が堪らない。

 

 

 

 

 

一時間ほど川通しで歩ける所まで探ったが、手応えは得られなかった。

 

一旦戻り、最初のポイントを再度探ってみることにした。

 

この行動が項を奏する。

 

先程と同じ立ち位置でキャストを始めると、

 

数投後に再びロッドが魚信を捉えた。

 

リールのドラッグが、鋭い音をして反転していく。

 

今度は先程より大きそうだ。

 

ビデオカメラを持つ手にも力が入る。

 

ジャンプと疾走を繰り返し、激しく暴れまわるターゲットをいなし、

 

隙をみてランディングネットで掬い上げる。

 

佐藤氏は吠えていた。

 

 

 

先程のバラシからの1本。

 

痺れるような緊張感からの解放。

 

カメラを向けられて、釣りをしたことの有る方なら分かると思う。

 

難しい条件で釣った時の喜びは大きい。

 

鼻先が曲がった、精悍な顔付きのオスだった。

 

今回の雨で遡上してきたのだろうか。

 

おそらく3日前に来ていたら、この魚には出会えなかっただろう。

 

優しく水に戻すと、一気に流芯へ戻っていった。

 

とてつもない達成感に満たされた…これだから釣りは辞められない。

 

 

 

 

 

だが、ここからが凄かった。

 

ポイントを変え、目ぼしいスポットをラン&ガンのスタイルで狙っていく。

 

最初の1尾を早めにキャッチ出来たことで、肩の荷が降り集中力が増した様だった。

 

ここぞ!という場所で反応を捉えていく。

 

最終的に、合計5回のバイトを得られ、

 

もう1本サクラマスをキャッチするシーンをカメラに納める事が出来た。

 

タイミングとスキル、タックルが噛み合うと、

 

こんなに釣れるものなのかと…驚きを隠せなかった。

 

それを下支えしているのは、何年も掛けて開拓してきた佐藤氏の情熱が有ってこそだ。

 

今回の動画は、編集が出来次第アップする予定。お楽しみに。

 

 

 

 

 

 

TackleData

Rod : Rayz Spectra RZS71ML (Jerkin'-HD Custom )

Reel : Daiwa #2000HG

Line : PE0.6  &  Leader 7lb

Lure : ZIPBAITS Rigge FLAT60S

Wear :  AnglersDesign

Angler : FieldeTester  Y・Satoh

Writer : Funaki

 

 

 

 

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