5月半ばを過ぎた頃、フィールドテスターの佐藤氏から連絡が入った。
そろそろ中流域で、面白い釣りを出来そうとの事だった。
前週に雑誌取材で魚をキャッチしており、かなり期待が持てる。
今回こそは、魚をキャッチするシーンをカメラに納められそうだ。
前回、宮城県・北上川水系に訪れたのは4月の中頃。
動画撮影を目的に訪れたのだが、
残念ながら魚をキャッチするシーンを撮影する事が出来なかった。
以前のblog
佐藤氏もホームフィールドで、
結果が残せなかったのは心残りだったのではないだろうか。
今回は、同じ北上川水系でも支流にあたる中規模河川が舞台。
ターゲットは、遡上してきたサクラマスだ。
下流域で数多のアングラーから狙われ、
その包囲網を掻い潜り遡上してくる猛者を狙う。
しかも、水温が高くなる初夏のシーズンであり、
一筋縄ではいかないのは明白だ。
繊細なアプローチとテクニックが要求され、
そのスキルに見合うタックルが必要とされる。
これだけゲーム性の高い釣りを、ぜひカメラに納めたかった。
予定を調整し、宮城県入りしたのは6月初旬。
前々日に纏まった雨が降り各河川は増水したあと、
濁りが取れてきたタイミングであった。
遡上魚がターゲットだけあって、この上ない条件が揃ったと思える。
初めて見たフィールドの印象は、6-7ftのロッドが有ると良さそうな川規模で、
普段であればヤマメ狙いに面白そうと思えた。
気付いた方も居るかもしれない。
そう、Rayz Spectra RZS71MLの開発の舞台ともなった場所だ。
このロッドが必要とされる場所で、カメラを回すこととなった。
最初のポイントに入り、状況を確認してみる。
少し水位が高いが、気をつけて進めば釣り下って行けそうだ。
佐藤氏は、ラインに6cmのミノーを結び探り始めた。
太い流れに細い分流が流れ込む地形で、
その流れが合わさる辺りにルアーを撃ち込んでいる。
数投後、ロッドは魚信を捉えた。
RZS71MLが絞り込まれている。
翻した魚体は銀色に光っていた。
しかし、魚は激しく抵抗しフックを外し逃げていった。
無念のバラシ。
スレンダーな魚と言っていたが、間違いなくサクラマスだった。
気を取り直して下流へ下りながら、各ポイントにルアーを撃ち込んでいく。
6cmのヘビーシンキングミノーを、
ブッシュぎりぎりにキャストし、トゥイッチ&ジャークで誘いを掛ける。
繊細なアプローチを続け、掛かれば激しいファイトが待っている。
川は増水した事で、両岸のブッシュが冠水しストラクチャーを形成しており、
どこに投げても魚が潜んでいそうと思えた。
この緊張感が堪らない。
一時間ほど川通しで歩ける所まで探ったが、手応えは得られなかった。
一旦戻り、最初のポイントを再度探ってみることにした。
この行動が項を奏する。
先程と同じ立ち位置でキャストを始めると、
数投後に再びロッドが魚信を捉えた。
リールのドラッグが、鋭い音をして反転していく。
今度は先程より大きそうだ。
ビデオカメラを持つ手にも力が入る。
ジャンプと疾走を繰り返し、激しく暴れまわるターゲットをいなし、
隙をみてランディングネットで掬い上げる。
佐藤氏は吠えていた。
先程のバラシからの1本。
痺れるような緊張感からの解放。
カメラを向けられて、釣りをしたことの有る方なら分かると思う。
難しい条件で釣った時の喜びは大きい。
鼻先が曲がった、精悍な顔付きのオスだった。
今回の雨で遡上してきたのだろうか。
おそらく3日前に来ていたら、この魚には出会えなかっただろう。
優しく水に戻すと、一気に流芯へ戻っていった。
とてつもない達成感に満たされた…これだから釣りは辞められない。
だが、ここからが凄かった。
ポイントを変え、目ぼしいスポットをラン&ガンのスタイルで狙っていく。
最初の1尾を早めにキャッチ出来たことで、肩の荷が降り集中力が増した様だった。
ここぞ!という場所で反応を捉えていく。
最終的に、合計5回のバイトを得られ、
もう1本サクラマスをキャッチするシーンをカメラに納める事が出来た。
タイミングとスキル、タックルが噛み合うと、
こんなに釣れるものなのかと…驚きを隠せなかった。
それを下支えしているのは、何年も掛けて開拓してきた佐藤氏の情熱が有ってこそだ。
今回の動画は、編集が出来次第アップする予定。お楽しみに。
TackleData
Rod : Rayz Spectra RZS71ML (Jerkin'-HD Custom )
Reel : Daiwa #2000HG
Line : PE0.6 & Leader 7lb
Lure : ZIPBAITS Rigge FLAT60S
Wear : AnglersDesign
Angler : FieldeTester Y・Satoh
Writer : Funaki
JUGEMテーマ:フィッシング
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