北の大地へ その1

旅の予定は、昨年の暮れには決まっていた。
行き先は北海道。
京都のF氏の呼び掛けで6名が集まった。


今年発表したテンカラロッド『風来坊』を片手に、
人間を見たこともない魚と遊ぼうってのが魂胆。
勿論、ルアーも使いたかったので
パックロッドをキャリーバックの隅に忍ばせた。


目的の場所は…、とある河川としておきましょ。
案内して頂いた場所を公表するなんて、
そんな野暮なことないですよね。
初日、宿に向かう道中、
立ち寄った川で少しロッドを降った。
尺クラスの岩魚が飛び出した。
これが北海道なのか…。
いつも通う信州の川と比較するのがアホらしかった。
自然は豊かなのが一番だ、
いつも悪いのは人間ということを忘れないでおきたい。
2日目。
翌日は山奥まで行くことになった。
この日のパーティは4人。
他の2人は次の日に合流する予定だ。
非日常な釣りが始まる。
人工物が一切ない大自然剥き出しの中へ入ると、
自分がなんと小さな存在かが分かる。
所々にテリトリーの存在を知らせるモノが落ちていた。



そう、ここはヒグマが主の地。
その庭で少しだけ遊ばせて貰うことにした。




車を停めた場所から、
川を塑行していくと流れていた水が消えた。
今迄は伏流水が流れる場所だった。
だんだんと流れていた水は地中に染み込んでしまい、
暫くは枯れた地上を歩くことなる。
30~40分ほど歩いただろうか、また川が現れた。
そこは岩魚の楽園だった。




(この日は会長DAYだった。)
F氏特製の毛鉤を争うように水面が割れる。
風来坊が気持ちよく絞られる。
サイズなんて測るのも忘れて、夢中で竿を振った。


だいぶ上流まで来てしまった。
帰りもあるので日が高い内に山を降りることに。
一時間ほど歩いただろうか、
皆が心地よい疲労感のなか歩いていた。
あの枯れた川のあたりだった。
右岸側のヤブの中で音がした。
私だけしか聞こえていなかったらしく、
気のせいだったのか。暫く歩くと、
またガサガサとヤブが揺れる音が聞こえた。
これは一緒にいたH氏にも分かったらしく、
直ぐに取り出したのは爆竹。


定期的に鳴らして人との距離を教えるのが必要だ。
向こうだって無闇に遭遇したくはないはず。
爆竹の破裂音が山に響いた。
ヤブの中は静かになった。
確かに何か居た。獣だったのは間違いない。
熊だったのかは分からないが、
ここは彼等のテリトリー。
早く出ていけと言われた気がした。
そこから40分ほど歩いて車までたどり着く。
長い2日目の釣りが終わった。最高の1日を過ごせた。
まだ2日残っている、いったいどうなるのだろう。
楽しい時間は一瞬で過ぎていく。
続く。
TackleData
Rod : TENRYU TENKARA FURAIBO TF39
Line : Fluoro 16lb(5m) & Nylon 6lb(1.5m)
Fly : 特製毛鉤(Special TENKARA Fly)
Wear : AnglersDesign Wetgaiters
       AnglersDesign AdvanceWadingShoes
Other : 熊鈴 & 爆竹(多数)
Angler:Staff Funaki

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