南アルプス源流チャレンジ

 

後輩のM君から提案があった。

「南アルプスの向こう側に、良い河川が有ります。」

アングラーの殺し文句には、これ以上の言葉が有っただろうか?

「行こう!」と即答した。

そうして予定の日程を決め、すぐに当日がやって来た。

 

話によると、長野県側から林道バスに乗り、

一般車両が走れない峠道を越え、山梨県側の川を目指すと言う。

以前に、当ブログに掲載をした野呂川が目的地だ。

 

 →『2000m級の渓へ』2017年7月5日掲載

 

 

日帰りでの釣行を計画し、20Lのバックパックに必要な荷物を詰め込んだ。

 

初めての場所なので色々と試したい事が多いが、

長距離を歩いて移動するとの事だったので、少しでも軽く少量が望ましい。

 

タックルの他に、水と食料、調理器具、救急セット類を、

防水の袋に小分けしてパッキングしてみた。

もし突然の雨や川に落水しても、内容物が濡れない様に心掛けている。

フットウェアは、山歩きでの移動が大半を占める為、

動きやすさを優先してウェットゲーターで挑むつもりだ。

 

 

早朝というには暗すぎる時間に集合し、車で一路バス停を目指す。

スタート地点のバス停でも随分と山奥に位置しており、

標高はグングンと上がり、反比例して気温はどんどんと下がっていく。

途中、遊漁券を購入する為に立ち寄った店では、

「寒っ!」とお互い口にしていた。

下界では半袖でも大丈夫でも山は寒く注意が必要で、

ライトシェル等のウェアを持っていくのが無難だ。

 

駐車場に着くと、登山客が沢山集まっておりアウトドアブームが、

再燃しているのを改めて実感出来る。

こちらからエントリーするアングラーは、自分達だけかもしれない。

林道バスの、往復チケットを購入し出発を待った。

 

6時にバスは出発し、1時間ほど揺られると終点のバス停で降ろされる。

ここから先は山梨県側に下っていくルートで、

およそ4km程を歩いて入渓ポイントまで移動だ。

 

 

 

途中、雪渓の残る沢も垣間見れ、冬の間は降雪が多い事が伺える。

 

40分程歩いただろうか、目的の入渓点に着いた。

ここから、やっと河川にエントリーしていく。

 

崖を降り、堰堤を高巻きし、目的の野呂川本流へ辿り着いた。

 

水量は充分だが、水温は摂氏8度と少し低め。

足元には、先行者と思われる足跡が散見出来る。

登山向けの山小屋に宿泊して、釣りを楽しむ方も多く、

おそらく前日からの釣客が来ているのではないだろうか。

とりあえず、試作中のルアーロッドを用意して釣りを始めてみた。

水温が低いのか?それとも釣り切られているのか?

しばらく探ったが、魚からの反応は得られない。

少し上流に移動してみると、遠くに人影が見えた。

どうやら先行者が居たようだ。

ここは先行者に譲り、僕らは下流へ下りながら釣りをする事に変更する。

 

 

何個目かの淵で、小さいながらも初フィッシュが釣れた。

対岸で釣ってたM君に「釣れた~!」と呼び掛けたが、

水の流れる音に書き消されてしまった。

川の音は案外大きく、熊鈴を付けていても

鈴音の効果がどれだけ有るのか不安に思えて仕方無い。

更に下っていくと、大淵が続く様になってくる。

淵の中を偏光グラス越しに覗いてみると、無数の影が見え隠れしている。

相当数の岩魚が群れて居るようだ。

やはり良い川には魚が多い!

だが、簡単には釣れてくれない。

 

魚影は確認出来たので、どんどん次を目指していく。

淵尻をじっくり探っていたM君に、良型の岩魚がヒットした。

どうやら活性は低い様で、ミノーを縦の動きで誘うと良いらしい。

 

ヤマトイワナの血統を引いている様だが、普段見ている模様とは全然違う。

山は同じでも、水系が変わると模様も大きく変わるのが面白い。

 

次々に大きな淵が続く。

高い位置から淵を覗いてみると、水中に大きな影が見えた。

軽く見積もっても尺以上で、

もしかすると40cmを越えているかもしれない。

僕らはゆっくりと移動して、淵尻からアプローチしてみる。

 

20cm後半のサイズが3本ほど飛び出して来たが、

結局あの潜水艦は浮上しなかった。

 

 

ここで天候が怪しくなってきた為、一旦退渓してランチにする事に。

 

山でラーメン!今回のもう1つの楽しみだ。

クッカーセットを用意して、お湯を沸かすと直ぐに沸いた。

標高が高いと、気圧の関係で沸点が下がると聞いたことがある。

具もないシンプルなラーメンだが旨かった(笑)

 

 

少し天気が崩れてきた。ポツリと雨粒が落ちてくる。

直ぐに退渓出来るポイントを選び、支流を探っていく事にした。

タックルを変更して、僕はテンカラ、M君はフライで試してみる。

雨が少し強くなったが、暫くすると止んでしまった。

山の天気は変わりやすいとは、この事だろう。

いくつかの堰堤を越え、最後に行き着いた堰堤下の淵は凄かった。

観察していると、パシュっとライズが散見出来る。

 

交代で毛鉤を打ち込むと、飽きない程度に飛び出してくれた。

 

サイズこそ小さいが、好きなタックルで遊んでくれるのが面白い。

 

満足出来る釣果を得られたので、ここでストップフィッシング。

 

ここから来た道を引き返し、登り道を1時間程歩く。

4km程ではあるが、運動不足な僕らにはハードな行程だ(笑)

 

遠くに見える山並みの景色を堪能しながら、

林道を歩いて行くと終点のバス停に到着した。

いつもは、お気軽に渓流を楽しんでいるが、たまにはハードな源流も面白い。

次は盛期の夏にチャレンジしてみたくなった。

 

 

TackleData

 

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テンカラ【TENKARA】

Rod : 天龍テンカラ 風来坊 TF39TA

Line : レベルライン (フロロ 3.5号) 

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フライ【FLY】

Rod : Fates Packer  FP703-6

Line : #3

 

Fly : Deer Hair Caddis #12,14、Parachute系 #14 他

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ルアー【Lure】

Rod : Prototype

Reel : #2000

Line : Nylon (4lb )

Lure : Yuiro 5cm , 神楽5cm, Arbor 5cm

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Other : インスタント・ラーメン(マルちゃん正麺・醤油味)

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Angler : Staff M  &  Funaki
 

 

 

 

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