工業製品と嗜好品

先日TVニュースでこの先20年後には
多くの仕事が人工知能を持った
ロボットが担うだろうと伝えていた。
ひと昔前までは絵空事だったことが、
今では当たり前になりつつある。
さて、この先釣具はどうだろうか?

消耗品などは大量に生産されるので、
既にオートメーション化は進んでいる。
ロボットが細やかなオーダーに対応していくのも、
時間の問題ではないかとも思える。
しかし、遊びの道具であるモノが
全て機械で出来ていると思うと、
何か足りなさを感じてしまわないだろか。
人の手で仕上げられたモノの方が、
道具への思い入れが強く感じると信じている。
弊社の近くには、精密系の企業が多く林立している。
その中に、時計を専門に扱うメーカーがある。
面白いのは、時計専門メーカーには
時計の組み立てを行うマイスターが存在し、
マイスターしか組み立てられない製品も存在している。
時間だけを知りたければ、どんな時計でも良いだろう。
モノへの拘りを持ち出すと、
その作られた背景に重きを置きたくなる。


ウッドと樹脂製のリールシート。コダワリは如何に。
1本のロッドが創られる背景には、
必ず釣り人が欲するテーマがあり、
それを具現化していく工程が存在している。
企画する者が設計者にイメージを伝え、
最初の試作品を作り上げていく。
その工程を作る側から見ていると、
とても人間くささを感じる。
全てが人の手によって作られるからだ。
店頭に並べられると全て同じ様に見えてしまうが、
それぞれに人の手の技術が施されているわけだ。
釣竿が誰にでも簡単に作れたら
弊社などのブランクメーカーは存在意義が無い。
特にコダワリが無ければ道具は何でも良いが、
拘りだすと一言では語り尽くせなくなる。
釣りは釣果であったり、
釣りを楽しむスタンスであったり、
または道具そのものを楽しむのも有りだ。
だから星の数ほど竿の種類があるのだろう。
ただの工業製品ではなく、
気持ちの入った道具を今後も作っていきたい。
釣竿屋の小言でした。

JUGEMテーマ:フィッシング

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました