ヘビーコアの必要性
日本の海岸線は変化に富んでおり、人工的な岸壁からサーフ
磯場など様々な要素が複合的に混ざり合って形成されている。
ターゲットも様々だが、中でもブリやヒラマサ・カンパチなど青物は
岸から狙えるルアーのターゲットの中でも難易度は高いと言える。
イナダなど幼魚サイズであれば比較的ライトなモデルで
充分に狙えることもあって近年のブームとなっているが、
大型を狙おうと思った際ターゲットに合わせて専用タックルが必要だ。
今まで弊社では『スタンダードモデル』が存在した。
当時、ショアジギ(ショア ジギング)といった言葉さえ確立されていなかった時代、
陸から青物を狙えるタックルを開発しリリースしてきた。
以前に比べると釣法やルアーの細分化であったり、
ターゲットの大型化に対応するためタックルは進化を続けてきている。
この度発表したモデルは、大型青物をターゲットとした上級者向けに開発したシリーズである。
沖堤や船渡しが必要な磯など、限られたタックルでしか挑めない場所が存在し、
そういった場所ではバーサタイルに使える性能を必要とする。
今までのスタンダードモデルは機種によってジグには対応するが
いざプラグも…と考えると使い難いという弊害が出ていた。
また、温暖化の影響なのか狙えるターゲットの北限域が移行し大型化も進んできている。
そこで考えたのは、『C・N・T』によるロッドの強化と最新パーツ採用し、
将来を見据えた新しいショアジギロッドを作ろうと思ったのである。
前作からの伝統
スタンダードモデルにおいて PWM100H という名作があった。
キャストフィール、ルアーの操作性、パワーバランス等が優れており、
今作においてベースとして考えた機種でもある。
このモデルを基準に、ただの焼き直しではなく
レングスとパワーを調整していき各々の個性を持たせ作り込んでいった。
実際のフィーリング
先ず感じるのが『軽さ』だろう。
この軽さはパーツ重量配分を徹底してバランス良く纏めた結果である。
ブランクの肉厚量は厚くし、強度は落とさない様に務めた。
ガイドをチタンフレームのトルザイトリングを採用し持ち重り感を解消。
結果としてモーメントが改善され、
バランスをグリップ付近に集中する事によって軽く感じられる様になっている。
『ヘビー ≒ 硬いロッド』といったイメージは持たせていない。
ガチガチのロッドでは無く、しなりを活かしたアクションに仕上げた。
弊社スタッフで試投会を行った際の感想は、
「キャストの際ブランクが勝手にルアーを運んでくれる」と述べている。
テーパーデザインによる反発力と素材の弾性率、ロッド全体の自重バランスが
マッチングする事により不必要な力を使わず安定したキャストが可能だ。
回遊を待つなど投げ続ける事が必要な釣りにおいて、
キープキャスト出来るバランスは精神的・肉体的共に大きなアドバンテージをもたらしてくれる。
ドラッグ値について
この数値はロッドとラインの角度が常に90度方向に向いている場合の数値であり、
角度が急になる場合はドラッグ値は低く設定する必要がある。
強いロッドは必然的にドラッグ値の数値が高くなり、もちろん強いに超したことは無い。
しかし、磯場やテトラの上など不安定な場所でのファイトを余儀なくされる場合も多く、
常にMAX値だけで挑むのも危険が伴うことも考えられる。
その為、ロッドには全体的に『しなり』を持たせた経緯もある。
ブランクがしなり、弾性を活かすことでショックを吸収するアブソーバーの役割となり、
ファイト時に曲がるブランクが戻ろうとする力が魚にプレッシャーを与え、
無理な力を必要とせず余裕を持ったファイトを可能とした。
長所と短所
前作より長所を伸ばしたシリーズではあるが、短所もある。
市場に出回っている同クラスパワーのロッドと比べると、若干だが柔らかく感じられるかもしれない。
それは前述のアクションを求めたからであるが、
人によって硬く張りの強いアクションを好む方も居るのは事実である。
こればかりは好みの範囲であるため、パリっとしたアクションを求める方はに向かない。
言葉や文字だけでは伝えにくいフィーリング的な部分ではあるが、
店頭にて触って頂きアクションを確かめて頂きたい。
ひとつ言えるのは天龍らしいアクションに仕上げたという事だ。
次回、各機種に迫っていきたい。
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