SWAT SW922S-M(Overambitious)

SWAT SW922S-M(Overambitious)

Lenght (9'2"ft)  Lure (MAX45g) Line (MAX20lb , MAX PE1.5号)

 

 

【野心溢れるパワフルモデル】

河川は時として、本来の水の流れとカレントが相まって強烈な流れを生み出す。

都市型河川などでは流速の差が顕著に表れ、

その流れを利用して大型シーバスが捕食の為に付いている場合も多い。

そういった激流とも言える流れの中で、繊細なルアーのコントロールと

掛けてからのパワフルなファイトを要求する場面もあるのだ。

大阪の港湾エリアを中心活動する弊社フィールドスタッフの関川氏は、

こういった都市型河川での攻略を得意としており、

前作のSW92M(Overambitious)のテストを依頼した経緯があった。

2013年頃だったか、初めの開発方針としてバイブレーション向けの

ピンッとしたロッドの要望が高まってきている事から開発が始まった。

関川氏からは遠投と操作性を両立した9ft前後のレングスとし、

切れの良いキャストフィールとジワリと曲がるアクションが希望だった。

これが形となり発売となったのが、前作のSW92Mである。

今作でも同氏にテストを依頼し、同じコンセプトを踏襲しながらも、

一世代先をいくロッドに仕上げてみようとの思いで開発が進みだした。

求めたのは、穂先がスムースに入り徐々にバットに移り変わるアクションで、

小さなバイトであっても瞬間的にフッキングを入れていく事が出来る、

いわゆる『掛け調子』のシーバスロッドに仕上げてみた。

デイゲームでハイスピードリトリーブで探るスタイルから、

沖堤で深いエリアをバーチカル気味に誘う状況などにも対応し、

繊細なアプローチで誘いながら魚がヒット後は、

野性の獣の如く強引なファイトも得意とするモデルになっている。

 

 

【前作SW92Mとの違い】

最終サンプルのテストが終わり連絡を受けた時に言われたのは、

前よりも野暮ったさが消え、汎用性も広く一世代先のロッドになったと言われた。

ブランク全体が少し細く感じられるシャープなフィーリングとなり、

曲げこむと徐々にバットに荷重が移り変わるバランスが良いとの事だった。

(実際には細くなく、持った時の感触から細く感じられるのが特徴だ)

前作と比較すると24g自重が重いのだが、実際にリールをセットして持つと、

不思議と持ち重り感を感じ難くモーメントが改善されているのが分かる。

リールシートのサイズやグリップ素材・長さを調整して、重心の位置を操作し

出来るだけ手元に重心が近くなるようにした為だ。

鉄板バイブの高速引きや、スピンテールのリフト&フォールに負けないベリーの張りに、

ジグヘッドリグの抵抗にも付いてくるソフトなティップが魅力だ。

そして操作性は繊細さを手に入れたが、ベリーからバット部まで曲げこむと、

C・N・T の効果もあり復元力の強さを感じれると思う。

 

 

【タックルバランス】

バイブレーションの18~28gを中心に扱いやすく設定してあり、

鉄板系バイブレーションやスピンテールにも相性が良い。

慣れてくればラインに掛かるテンションも掴めるようになり、

シンキングペンシルでドリフトさせる事も充分に可能になってくる。

上限として大きめのプラグなら15cm(40g)程度まで、

45gだとメタルジグなど比重が高いルアーの方が扱いやすい。

ミノー系のプラグだと12~14㎝程のボリュームのあるルアーと相性がよく、

あまり軽いプラグや水抵抗が少ないルアーは扱い難く感じられるかもしれない。

フィールドスタッフの関川氏はバチ抜け時の釣りにも使っているらしく、

慣れてくると積極的に掛けていける点を評価しており、

ティップに感じるテンションとフッキング時に掛け遅れないバットの強さが

シビアな状況でも魚のキャッチに繋がるとのことだ。

ラインの太さも重要で0.8~1.0号を中心に捉え、

先ほどの様にバチ抜け時などはPEラインを0.6号に落とし、

水切れを良くすることでアタリの鋭さを上げるのも1つの手だ。

ただし、曲がるアクションであっても張りがあるので、あまりドラグが強いと

ラインブレイクの恐れもあるためドラグ設定も慎重にして欲しい。

 

 

【裏話】

前作を作る際はファーストサンプルでアクションが合格したが、

今作では4回目で完成した経緯がある。

初回~2回目のサンプルは、軽いがパワー不足で18gまでは気持ちよく使えるが、

28gとなるとブレが出てくるとの事だった。

細身にしたいと思い、ブランク全体を細くしたサンプルを作成したのだが、

これが仇となりベースのSW92Mよりも貧弱なロッドになってしまっていた。

関川氏からは手元からベリー辺りまでを強化して欲しいとの事で、

3回目のサンプルにして不安要素が減ったとの連絡を受けた。

軽さを出したかったのでガイドは全てシングルフット(KLタイプ)にしていたが、

ここ一番で勝負するときにバットが負けている感が有るとことで、

バットガイドにはダブルフット(RVタイプ)に変更している。

そして4回目のサンプルで野暮さが消え、思い描いたロッドに仕上がった。

私が最初のイメージ作りを踏み間違えてしまったのが原因で、

なかなか軌道修正するのが難しい開発になった思い出がある。

Overambitious(オーバーアンビシャス)というサブネームは、

〝野心溢れる〟という意味を込めている。

貪欲なまでに大物を狙い定め、繊細にも大胆に釣るアングラーに向けたロッドだ。

上記の様なことを踏まえロッドの特性を理解出来れば、

今まで出会えなかった魚との接点が増やせるはずだ。

Staff Funaki
 

 

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