【邂逅】
今回のトラウトフリークスは、私がここ最近試している事を紹介していこうと思う。
実は今季より、0.2号以下の極細PEラインで、渓流や本流域にて確かな手応えを感じてきている。
今までどちらかと言うと渓流ではナイロンラインが好みで、
シーズンがスタートした時点もナイロンから釣りを始めていた。
しなやかなナイロンラインは、適度な伸びがあることでバラシを軽減できる事から、
取材をはじめ各シーンでナイロンの特性に助けられた事が多数あったからだ。
以前のブログで書いたが近所の河川で練習がてら挑んだところ、
最後に良型をヒットさせたがバラしてしまう事があった。
もし、あの時PEラインを使っていれば、フッキングも決まりバラさなかったのでは?
…と感じたことから、極細PEのメリットに繋がった次第だ。
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前回の記事を未読の方はコチラ → TroutFreaks(春の渓を遊ぶ)
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【長所と短所】
ラインを細く出来る事のメリットは、飛距離、感度、
ラインプレッシャーの少なさなどが挙げられるだろう。
細い程に摩擦抵抗は減るため、軽いルアーであっても
ロッドのスイングスピードを上げずとも飛距離を稼げる事が可能だ。
力を入れずに投げられるので、自ずとピンスポットへの精度も高くなってくる。
感度の面では、さすがPEと言えるだけあって申し分ない。
普段はナイロンでも充分な感度を捉えられていたので、レンジ違いの流速差だったり、
テンションの抜け具合など、情報量が多すぎて最初は混乱するばかりだ。
最後にラインプレッシャーは、ラインが水面および水中に有ることで、
なにかしら魚には違和感としてプレッシャーを与えているはずと考えている。
ルアーという何か気になる物が有ったとしても、
少なからずはラインによる抵抗が伝わっていることで、
スレの要因に繋がっているのではないだろうか。
そのプレッシャー(抵抗)を、ラインを細くすることで少なく出来れば、
違和感なくルアーにバイトしてくれるのでは…と期待していた。
反面、短所も有る。
細いという事は、それだけ切れやすいのは変えられない事実だ。
ピンと張った状態で、岩などに触れるとラインブレイクの恐れは高まる。
またキャスト時に、スピニングリールでは人差し指に掛ける部分が傷みやすい。
少し長めのリーダーを用いる事で、岩などの擦れに対処したり、
キャストする際はリーダー指に掛かる様にすると傷むことを軽減出来る。
PEユーザーなら試す方は多いと思うが、ラインコート剤の散布は必須項目だろう。
釣行前に散布しておいて、常にラインはツルピカの状態にしておきたい。
使っていれば実際のところ少しずつ傷んでくるが、
この気配りが出来るかでライントラブルは減らせるはずだ。
【試験1】
悶々と考える日が続き、いよいよ再確認の釣行日。
釣行の前々日に強烈な雨が降ったことで、
お目当ての渓流は増水から徐々に水位を落としている状況だ。
遡行は問題なく出来そうで、濁りは少し残っているがルアー向きの水色と言える。
ポイントを一目見て、これは頂き!と心躍った。
前週に来た時はクリアアップして見切られ気味であったので、
少しだけ濁りが有ればと警戒心を和らいでくれると思っていたからだ。
タックルはメインラインをナイロンライン(3.5lb)から、
試しに0.2号のPEラインに変更して挑んでいる。
0.2号と言っても、直線強度で6lbあるため渓流域では充分な強さだ。
ロッドは前週と同じく スペクトラ61 のままで、キンキンの早掛け仕様である。
ラインを変えた狙いとして、感度の面を高めることで
ついばむ様なアタリを即座にフッキングに持ち込みたいと考えてのこと。
前回、水温が上がりきりらない状態では、
魚がチェイスしてもミノーのテールフックを微かに触るバイトが多かった。
ルアーのヘッドに噛みつき、即座に反転する強いバイトなら
ナイロンが適していると思うが、弱いバイトこそ『早掛け』が有効と思えたからだ。
他にもルアーのフックも形状や太さ、
前後に違う針を使うなど試みているが、これは別の機会に語るとしよう。
さっそく用意して入渓してみると水が冷たい。
計ってみると摂氏8℃と前週に比べて2℃落ちていた。
案の定、魚からの反応は全く無く、
期待したポイントから一帯を探ってもヒットどころかチェイスすらも得られなかった。
大きく下流に移動し水温を計ると10℃と、上流よりも期待できる数値を示していた。
アプローチの方法を変えていけば、魚との距離感を詰められるかもしれない。
立ち位置は上流側に立って、アップクロスに投げ入れてから、
狙いのスポットに流し込みながらU字を描いたコースで誘いを掛けてみる。
ややライン先行で流すと、ナイロンより少し水抵抗が少ない様に感じられる。
数投もしないうちに、すぐに結果は魚から返ってきた。
微かに違和感を感じてフッキングを入れると、
一瞬の間を置いてから魚のローリングを感じられた。
狙い通りのターゲットがヒットしてきた。
テールフックにヒットしていたのは、まだ活性が高まりきっていないからだろう。
前回のタックルでは、取れていないアタリだったと思える。
(ナイロンで)もし運良く掛かってもバラシてしまっていたかもしれない。
先程と同じ様に流していると、次々にアタリを拾うことが出来た。
バラシてしまう事も2回ほど有ったが、
バイトを拾えた数は前回よりも2倍以上あったと思える。
納得の二桁安打で、最初の試験は終えられた。
その後日に渓流域での試験は、短時間での釣行ではあったものの、
毎回安打が続き、タックルバランスにおいて手応えを感じつつあった。
【試験2】
季節は進み、そろそろ本流域も気になる頃になってきた。
本流では使うことが無い、マイクロスプーンをはじめ、
小型・軽量ルアーの使用したらどうなんだろうか?と気になっていた。
極細PEラインだからこそ出来る攻め方があると思うし、
今まで使っていなかった事で新たな世界が拓ける気がしていた。
勿論、世の本流アングラーからすれば邪道とも言われかねない所業かもしれないが、
タックルの進化とは基本概念を壊してこそ何か新しい物が産まれると信じている。
私にとっては、この行為こそが面白くて堪らない。
とある日、ぷらぐ屋工房のN氏に連れられて木曽川の本流を散策する事になった。
YouTubeのTroutFreaksで出した場所なので、
映像を見て頂ければ河川規模が分かって頂けると思う。
その場所に対して今回持ち込んだタックルは、レイズ オルタ(エリア向けロッド)だ。
オルタ61 に、PE0.2号、ルアーは1.5g程のマイクロスプーンをセットしている。
N氏が先行してアップで探り、その後ろを少し遅いペースで私が流していく。
少し上の瀬でN氏がポンポンとアベレージサイズのアマゴをヒットさせていた。
どうやら4.5cmのミノーが当たっている様だ。
私は釣れているルアーに変えたくなる気持ちを抑え、
小さなスプーンをアップクロスで投げてから狙いのコースを流していく。
サイズは大きくないものの、アタリは多く順調にヒット出来ている。
時折、川に沿って谷間を抜ける強めの風が吹く事があり、
極細PEラインだと風で煽られてルアーがコースをズレてしまう事があった。
こればかりは致し方ない事で、キャストし直してアプローチするしかないが、
与えるプレッシャーが少ない為かバイトは減った様には思えない。
締めとして、例の4.5cmのミノーに変えると当日一番と思えるバイトが有った。
惜しくもフックアウトしてしまったが、極細PEだから取れたバイトだったのかもしれない。
この時、N氏もPE0.3号と普段より細いラインで攻めており(普段は本流でナイロン5lb)、
ヒットするサイズがそこまで大きくないと思えるフィールドなら、
こうしたフィネス系タックルの有効性は充分に有りだと実感した釣行だった。
ラインは無理して細くした方が良いとは言わないが、
こうした新たなチャレンジで見えてきた世界が有ったことを覚えておいて頂ければ幸いだ。
更に煮詰めていって、他にも面白い使い方などがあれば紹介していきたいと思う。
TackleData
Rod : 【TENRYU】Rayz Spectra RZS61LL
Reel : 【SHIMANO】STELLA C2000
Line : 【VARIVAS】Area Master Limited (PE 0.2号/6.5lb)
Leader : Nylon 4lb (1ヒロ)
Lure :【L.S.YAMATO】瓢55L
【UNFOLD】Outov50F , VooDooJerk53S
Rod : 【TENRYU】Rayz Alter RZA61L-T
Reel : 【SHIMANO】STELLA C2000
Line : 【VARIVAS】Area Master Limited (PE 0.2号/6.5lb)
Leader : Nylon 4lb (1ヒロ)
Lure :【ぷらぐ屋工房】雫45S
【Woodream】Arbor45S
【FOREST】MIU 1.4g, PAL 1.6g
JUGEMテーマ:フィッシング
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