【回想】
2023年の渓流トラウトを振り返ると、例年に比べて大変厳しい年だったと思えた。
ラニーニャ現象の影響から2022年末から極端に寒い冬となり、
適度に降雪があった事で河川に水量を安定させる要因を作ったものの、
短い春が一気に気温を押し上げてしまい雪解け時期が早まったことで、
ベストコンディションと言えるシーズンが短かった様に思える。
また、初夏以降では局所的な強雨も相まって、
遠征アングラーにとっては行きたい時にフィールドが整わない状況も多く、
ヤキモキする事もあったのではないだろうか。
2024年が明けて、早いエリアではアングラーは動き出していることだろう。。
前述のラニーニャ現象の後に2023年の夏はエルニーニョ現象が発生しており、
予想通り暖冬となったため降雪は少なく季節外れの暖かさを記録している。
今後の降雨次第であるが、スタート時は各地で渇水することは充分見込まれる。
厳しい状況が想定される中で、いかに攻略していくかが焦点になるはずだ。
【続・極細PEの世界】
さて前置きから続いて厳しい状況を打破するために、
表題の極細PEラインについて話を進めていこう。
前回のTroutFreaksで書いたが、前季は0.2号以下のPEラインを、
ネイティブのフィールドで多用する様にしてきた。
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前回の記事を未読の方はコチラ → TroutFreaks(極細PEの世界)
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その中で新しい楽しみ方を見つけられたので、その点を含めて紹介したい。
前回、極細PEラインの長所短所を書いてきたが簡単におさらいしておこう。
長所
・飛距離のアップ
・感度の向上
・ラインプレッシャーの減少
短所
・根ズレの弱さ
・キャスト時の摩耗
シーズン初期から中旬までは前回ログの通りで、
ヒット数も回を重ねる毎に増えて行ったが、
水温が20℃を境に極端にチェイス・バイトも遠のいてしまった。
これは例年通りの反応であり、適水温を超えると魚の反応は鈍くなる。
徐々に初夏から夏に向かうシーズンとなり、
魚は快適な水温や水勢を求めて『瀬』に付いている事が多い。
もちろん、最盛期とも言える水温の時期も瀬では釣れるのだけど、
水温が上がるに連れてバイトは浅くなりフッキングしてもバラしも増えていく。
前回のログではバイトを捉えたら即フッキングを入れる、
いわゆる『掛け』を意識したタックルとして
『レイズ スペクトラ RZS61LL』を導入してきた経緯があった。
高弾性のカーボンは感度が良く少しの反応にも機敏に対応出来るモデルではあったが、
高弾性の為に張りが強く早掛けをしてもバラしが多くなってきてしまった。
対応策として、ロッドの弾性率が1段階柔らかい
『レイズ RZ4102S-UL』にしたが、それでもバラしてしまう傾向にあった。
アマゴを狙った事がある方なら伝わるかもしれないが、
ヤマメに比べて少し速めの流速を好む様に感じている。
その流れの速さだと、ヒットしてからロッドに荷重が乗ると、
魚が暴れた際にテンションが一定になりにくく、フックが抜けやすくなってしまう訳だ。
今までだと、ここでナイロンラインの登場ではあったのだが…
どうしたものかと考えた時に、しばらくテストしてきたロッドに白羽の矢が立った。
【レイズ オルタという選択】
昨年発表した通り、レイズ オルタがフルモデルチェンジとなった訳だが、
その中の1機種 『レイズ オルタ RZA5102S-LLT』という個性的なモデルがある。
この機種は、超低弾性カーボンを主体としたブランクで構成していて、
フィーリングとしてグラスロッドに近いテイストに仕上げている。
このモデルは管理釣場で抵抗が少ない小型クランクベイトから、
少し抵抗の強いルアーまで一本で幅広く対応してしまう点が特徴だ。
このモデルは、渓流で使う際にスピナーとの相性がすこぶる良く、
開発時にかなり良い思いをした記憶が多い。
話は回りくどくなってしまったが、
この『レイズ オルタ RZA5102S-LLT』を極細PEラインと合わせたタックルで、
早瀬に付いた魚を攻略出来ないか?と考えた訳だ。
その予想はピッタリとハマり、ヒットしても魚の暴れを吸収してしまい、
すんなりとネットイン出来る様になった。
ただし、このロッドを使う際はダウンクロス気味に探る様にしていたので、
テンションは抜けにくい状況であった点は考慮したいところだ。
アップストリームでも充分に使えるが、
超低弾性カーボン × 極細PEラインの組み合わせを最大限に味わうのなら、
ダウンストリームで探る事をオススメしたい。
一長一短が有るのはどんな道具でも考えられる事なので、
その特製を知った上で道具を使い分ける事が楽しみを深堀り出来ると考えている。
写真はシーズン終盤、木曽川本流でのイワナ
【タックルバランス】
参考例としてタックルバランスを書いておこう。
シーズン(初期~)
Rod : Rayz Spectra RZS61LL or Rayz RZ4102S-UL
Reel : 2000番クラス
Line : PE 0.175~0.2号
Leader : フロロカーボン 3~5lb
Lure : ミノープラグ4~6cm
シーズン(初夏~)
Rod : Rayz Alter RZA5102S-LLT
Reel : 2000番クラス
Line : PE 0.175~0.2号
Leader : フロロカーボン 4~6lb
Lure : ミノープラグ4~6cm、スピナー3~4g
※ラインコート剤は必須。釣行前に充分に散布し乾燥させ、
実釣直前にもロッドにもスプレーするなど配慮していきたい。
キャスト時に指に掛けた部分も摩耗するので、
ダメージを受けたら即結び変えることをお勧めしたい。
【今シーズンに向けて】
ここまで書いていると極細PEラインが一番良いとも捉えられてしまうが、
普段のご使用にあたってはスタンダードな太さを選ばれる方が
トラブルは少ないし、活性が高い時こそ太めのラインを選びたい。
ただ…厳しい状況になった時こそ極細PEラインが活きてくる。
その点も踏まえて必要と思えるタイミングなどを、
さらに使い続けていくことで何か発見があったら発信していきたい。
Staff Funaki
JUGEMテーマ:フィッシング
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